第14期自治労連中央労働学校

地域住民の繁栄なくして、自治体労働者の幸福はない

―第14期自治労連中央労働学校―

 7月12日~13日、自治労連会館において、地方組織・単組で次代を担う自治労連役員の育成を目的に「第14期自治労連中央労働学校」を開催しました。台風の影響が心配される中、10地方組織から15人が受講し、2日間で3つの講義と分散会を経て14人が修了しました。

 学校初日は、松繁美和副学校長(自治労連副委員長)の開校あいさつ、2つの全体講義、終了後の分散会を実施し、夜は懇親会を行い交流を深めました。

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                      労働組合運動を復権せよ

 第1講義は、熊沢誠氏(甲南大学名誉教授)が、「現代日本の労働組合運動の課題」というテーマで、主に、労働組合論及び公務員の特殊性と課題について語りました。冒頭、非正規労働者の貧困を象徴する「マクドナルド難民」、労働者のクビを切るための「追い出し部屋」、ブラック企業における過酷なノルマとパワハラ、過労自殺など、新聞報道にみるリアルな民間労働者の実態を示した上で、「公共部門も無縁ではない」と語りました。この状況の悲惨さは、現場労働者の発言権・決定参加権の不在・弱体化の繁栄であり、賃金格差の拡大を当然視、または傍観してきたこと、38%にも達した非正規労働者(公共部門でも増加)の差別的待遇の放置、組合員の「個人への受難」(長時間労働、過重ノルマ、いじめ、退職強要、心の危機、過労死、過労自殺など)への介入からの撤退など、組合運動の総括的な批判、労働条件決定に関する労働者的な基本意識が忘却しているが原因だとし、責任の一端は「労働組合にもある」と断じました。その上で、労働者にとって労働組合運動の復権が不可欠であると訴えました。

 

民主的自治体労働者論を学び、そして実践を

 第2講義は、駒場忠親氏(自治労連顧問)が「民主的自治体労働者論を考える-今日から明日へ、自治体労働組合運動の発展を展望して」というテーマで語りました。

 「民主的自治体労働者論」について、日本国憲法が要請する地方自治体と自治体労働者の性格と役割を職場と地域で発揮させる、主権者である地域住民と自治体労働者の共同した運動であること。要求闘争の中から、職場の労働者・職員にたたかう確信を与え、地域住民、労働者との団結と連帯を求めるために生まれたことが時系列で説明されました。1963年「地域住民の繁栄なくして、自治体労働者の幸福はない」という基本的立場を示した「大阪衛都連行動綱領草案」や、民主的都府政の新たな前進と自治体労働者の役割と責務を謳った「京都府職労1972年度運動方針」を紹介し、民主的自治体労働者論が、支配層の激しい攻撃にさらされながらも鍛えられ生成、発展してきたこと。自治労連が結成されたことにより自治体労働組合では初めて系統的に実践され、理論的にも運動的にも深められたことが語られました。

 時代の大転換期である今、憲法を職場と地域に活かす民主的自治体労働者論の実践が大事であり、とりわけ憲法闘争は、自治労連の結成の原点と自治労連行動綱領の実現を目指す、自治労連の存在意義をかけた闘いだとし、自治労連が、「地域から憲法をいかし住民生活を守る」事を、自治労連の「特別な任務」と位置付け運動を推進していることを評価し、期待を寄せました。

<修了レポートより>入庁した時から「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」という言葉が、身にまとった衣服の一部のようにありました。公務員制度の改革や大阪では、維新首長によって横暴としか言えないような職員の取り扱いがありますが、公務員は憲法に沿って住民のために仕事をしていることを忘れないようにしたいと思います。

 

権利の上に眠る者は権利を失う

 二日目の第3講義は、萬井隆令氏(龍谷大学名誉教授)が、「安倍・雇用改革による労働法の危機と運動の課題」というテーマで語りました。安倍・雇用改革の特徴は、経済政策を偏重し、労働政策をそれに従属させるものだと断じました。直接雇用の原則、常用雇用の原則、解雇法理、労働時間制の理念など、労働法の諸原則や理念を無視する。労働者の意見は聴かない、法律による労働条件規制という憲法27条2項目をも無視し、現在の労働法制が最低限度ではあるが曲りなみにも実現しているものを壊し、「企業が活動し易い国」を作ろうとしていると「安倍・雇用改革」の実像を暴きました。法律があり、解釈論が確立していても、それだけでは労働者の権利は実現しない。「権利のための闘争」があって初めて労働者の権利は実現すると語り、現存の利用できる規定を活用して実質的な権利の実現・拡大を図るよう訴え、「権利の上に眠る者は権利を失う」と示唆しました。

 閉校式では終了レポート提出の後、受講生全員から、単組や地方組織に戻ってからの活躍が期待できる、前向きな決意が述べられました。

 松繁副学校長からの講評と閉校あいさつを受け、2日間の中央労働学校を終了しました。