機関紙『自治体の仲間』2018年 8月号 Vol.537 住民のために一刻も早く 西日本豪雨災害
住民のために一刻も早く
西日本豪雨災害
「平成30年7月豪雨(以下、西日本豪雨)」では、西日本を中心に大きな被害が出ました。被災自治体では職員が被災者支援と復旧活動に奮闘しています。全国各地から自治労連の仲間がボランティアとして駆けつけ、自治労連本部も総務省への緊急要請など対応を行っています。(下記に詳細)
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復旧に力尽くす自治体労働者 政府は災害対策こそ最優先に
記録的な災害となった西日本豪雨では、死者219人、行方不明者10人、全壊家屋3286棟、半壊家屋2270棟にものぼり、今も避難所には4218人が避難生活を続けています(消防庁発表7月24日時点)。
政府は西日本豪雨について、「激甚災害」に指定する政令を7月24日に閣議決定しました。台風5~8号など5月20日から7月10日にかけて発生した豪雨・暴風被害も一括しており、全国の自治体を対象として、各自治体での災害復旧事業に対する国庫補助率が一定程度引き上げられます。
現地調査を実施 総務省に申し入れ
自治労連本部は岡山・広島に続き、7月21日には愛媛県に高柳京子副委員長を派遣し、激励とともに現地調査を行い、東日本大震災や茨城・常総豪雨の教訓もふまえ、7月25日に総務省に対し、被災自治体で復旧・復興に向けて奮闘する自治体・公務公共労働者の健康確保と待遇の改善を求める緊急要請を行いました。(下記に詳細)
全国にボランティアとカンパを呼びかけ
自治労連本部は救援カンパの呼びかけとともに、広島、岡山、愛媛各県に入り、毎週土・日曜日(8月19日まで)に、全国からのボランティア受け入れを行っています。
地域住民のため仲間のために駆けつける
ボランティア動き出す
被害の大きかった岡山、広島、愛媛各県をはじめ、近畿・中国・四国・九州地方の被災自治体へのボランティア活動が始まりました。
京都では宮津、舞鶴、福知山、綾部を中心に多くの自治体が被災、甚大な被害を受けました。京都自治労連は7月15日、京都市職労、宇治市職労とともに8人が綾部市に入り、土砂などの撤去、社協ニュースの配布などにとりくみました。
翌16日には滋賀自治労連の仲間19人が駆けつけ、地元のみなさんと一緒に、家屋に押し寄せた土砂などの撤去を行いました。
21日にも京都府職労連、宇治市職労の仲間13人がボランティアに入ると、「こんな災害は経験したことがない」「暑いなか、支援が本当にありがたい」と被災者から声をかけていただきました。
被災者と仲間の支援に全力で
住民のいのちを守る自治体職員の使命を果たす炎天下のなか連日の復旧・支援作業
自治労連愛媛県本部は、被災直後から救援物資と義援金を被災地域と被災地の単組に届けました。また、災害ボランティアを募り、毎週末に西予市・野村地区と宇和島市・吉田地区を中心に、泥や土砂、ゴミの撤去と洗浄作業などを行っています。
西予市・野村地区では貯水限界を超えたダムの緊急放水で被害が拡大。国からの放水連絡に西予市も対応を急ぎましたが、この間の市町村合併や人員不足、野村支所の人員削減もあり、思うに任せない状況でした。
西予市職労の和氣(わき)伸二委員長は、炎天下のなか、野村地区の災害ゴミ集積場で搬入車両の交通整理に従事しています。「現場に10日間以上張りついています。しっかり1日休むように言われていますが、知人・友人が被災し落ち着かない」と心情を話します。
7月15日に野村地区でのボランティアに参加した伊予市職労の久保竜児委員長は「惨状に言葉が出ない」と話します。
子どもたちのために一刻も早い復旧を
広島市内にある保育所では、多量の土砂が流入し閉所に追い込まれました。閉所中は園児が複数の保育所に振り分けられ、いつもの友だちがいない保育所に通うことになっています。園児のケアとともに一日も早く元の保育所が再開できるよう、当局に働きかけを行っています。
学童保育の施設も3カ所が床上浸水するなか、夏休みが前倒しで実施されました。臨時指導員も被災しており、一日保育の人員確保もままならないなかで、留守家庭子ども会労組では保育の不安の解消を訴えています。
復旧に専念できる労働環境・条件に
岡山市職労は非正規職員にも特別休暇を認めるように求め、「嘱託職員及び臨時職員についても正規職員と同様の扱いとする」ことになりました。
愛媛・新居浜(にいはま)市職労や水道労組では被災地支援業務の従事者について緊急申し入れを行い、「今回の被災地支援業務に限り、運転業務にあたる職員以外についても、出発から帰着までを勤務時間として認める」ことになるなど、安心して復旧業務に全力で当たれるように組合として労働条件の整備に努めています。
職員こそがライフライン 支援の輪広げ応援
岩手自治労連からのメッセージ 小野寺栄悦(えいえつ)中央執行委員長
西日本豪雨で被災したみなさんに心からお見舞い申し上げます。
連日の猛暑のなかで、住民の疲労もピークに達し、同時に復旧活動や避難者支援等に日夜奮闘しているみなさんの苦悩は、東日本大震災を経験した私たちにも我がことのように感じられます。
あの時、「あなたたち職員こそがライフライン」「職員の訪問を待っていた。頼りにしている」との声に励まされ、住民にとってかけがえのない仕事をしていることを実感することになりました。
被災者への生活再建支援や復旧・復興に関わる現行制度の不十分さはこれまでの災害からもあきらかです。住民要望は日々変化しますし、完全な復興までには長い時間を要することになります。
引き続き、被災者と寄り添いながら住民本位の復興にまい進されることを期待しています。岩手自治労連の仲間も支援の輪を広げ応援していきます。
豪雨災害からの復旧・復興に向けて
自治労連が総務省への緊急要請
自治労連は、7月25日、復旧・復興にむけて働く自治体・公務公共労働者の健康確保と待遇の改善に関して、総務省へ緊急の要請を行いました。
①猛暑・酷暑が続くなかで、必要な休憩時間の設定と水分や塩分補給の措置、②長時間過重労働の職員に対して勤務間インターバルの確保や計画的な休日取得、③全国からの職員派遣について必要な事前研修や帰任後の健康診断など必要な健康確保措置、④勤務時間外での土砂出しなどに対する正規職員への不払い残業や、嘱託職員及び臨時職員の時間外手当不支給は違法行為であり、適正に処理すること、⑤交通機関の迂回や勤務公署付近での宿泊などの必要な経費を公費負担すること、⑥正規職員に認められている出勤困難などでの特別休暇について、非正規職員にも認められるよう制度改善することなどを被災自治体に助言することを要請し、あわせて、国としても必要な財政措置を行うよう要請しました。
ストップ 長時間過密労働
大幅賃上げで生活改善を
暑さに負けず2018夏季闘争勝利へ 7・25中央行動
全労連などが主催した7月25日の中央行動は、すべての労働者の賃上げと最低賃金の大幅引き上げ(関連6面)を求め、各省庁前での要求行動と、日比谷野音での7・25中央総決起集会、銀座デモを展開。全国から2000人を超える仲間が参加しました。また自治労連は独自行動の総務省要求行動、「つなぐアクション」決起集会を実施しました。
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総務省・人事院は健康と生活守る責任を果たせ
怒りの声ぶつける総務省前要求行動
総務省前要求行動では、自治労連・中川悟書記長が西日本豪雨災害に触れ、この間の職員削減や公共施設の統廃合で復旧業務に大きな影響が出ていると指摘し、「全国の実態を突き付け、人員増を勝ち取ろう」と訴えました。
各地からの決意表明では東京公務公共一般労組・松崎真介書記長は会計年度任用職員制度のとりくみに触れ、「制度移行に関わって、23区で団体交渉の実施。これまでの非正規の改善事項の後退を許さず、正規・非正規の共同したたたかいをすすめていく」と発言しました。
次に静岡自治労連・菊池仁委員長は、公務員の賃下げが続いている問題とともに、地域間の賃金格差を指摘。「公務員賃金引き上げとともに格差をなくすために、団結してたたかおう」と呼びかけました。
また今回の西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた岡山県から倉敷市職労の組合員・高浦永充さんが中央行動に駆けつけ被災地の状況を報告しました。「避難所の職員は12時間勤務の交代制を繰り返し、疲労が蓄積している。現在、職員総出で災害復旧にあたっているため、ボランティアの受け入れが困難になっている。受け入れ体制が整い次第、みなさんの力を貸してください」と訴えました。
目前に迫った勧告 抜本的賃上げを
人事院前での要求行動は、全労連公務部会議長の自治労連・猿橋均委員長が主催者を代表してあいさつ。地震・豪雨災害復興に奮闘している仲間を激励し、「この間の政府が推しすすめてきた総人件費削減政策の結果、災害対応など、現場の困難さが浮き彫りとなっている。全国の仲間とのたたかいで、総人件費削減をやめさせよう」と呼びかけました。
秋山正臣事務局長は目前に迫った人事院勧告にかかわる情勢を報告。争点となる賃上げ・定年延長・長時間労働是正・ハラスメント防止の4点について触れ、賃上げについては、「この間4年連続で若干のプラス勧告で、今年も賃上げ勧告が想定されるが、『給与制度の総合的見直し』により実質的な賃上げにつながっていない。勧告日の最後まで、人事院に対し職員が生活改善できる賃上げを求めていこう」と呼びかけました。
要求行動では、滋賀県職・嶋林弘一書記長が、交渉をすすめ滋賀県庁で11時間の勤務間インターバル制度が始まったことについて報告し「仕事量の削減・人員確保が大前提。公務労働者の健康に責任をもつ立場である人事院は、民間の動向を見てからではなく、まずは公務職場が率先して勤務間インターバル制度を導入すべきだ」と訴えました。
主張 核兵器廃絶と平和憲法
憲法を遵守する自治体公務公共労働者をめざして
今年も、平和を考える夏が巡ってきました。
1945年8月6日、9日に広島・長崎へ原爆が投下され、その年の終わりまでに、広島では約14万人、長崎では約7万人の命が奪われました。そして、8月15日に終戦を迎え、1947年5月3日に「もう戦争はごめん」と、二度と戦争をしないことを決めた平和憲法を手にしました。
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世界の世論と運動が非核化の流れをつくる
私たちの先輩は、戦争へ住民を駆り立てた反省から、「二度と赤紙(召集令状)は配らない」を合言葉に、戦争に加担する地方自治体・自治体公務公共労働者ではなく、主権者である住民の暮らしに責任を持つ地方自治体をつくりあげようと奮闘してきました。
そうした運動が、被爆者との連帯による日本と世界の反核運動に結びつき、昨年7月、国連で核兵器禁止条約を成立させる大きな力となりました。そして今年6月には米朝首脳会談が実現するなど、非核化の流れが北東アジアで確実なものになりつつあります。
「安倍9条改憲NO! 3000万人署名」のとりくみを引き続き
安倍政権は、主権者である国民の人権を制限する法律をつくり、日本を再び戦争できる国へとつくり変えることに執念を燃やしています。
また、戦争法に反対することや、安倍9条改憲に反対する行動に対して、政治的中立性を盾に、「政治的な活動」だと、住民の共有財産である公民館を使わせなかったり、公務員に対しても行動を制限することがまかり通り、私たち自身も、そう思わされている節もあります。しかし、住民生活を守る立場に立ちきることが、公務公共労働者に求められている歴史の教訓であり、日本国憲法が要請するものです。
今こそ、「憲法をいかし住民生活を守る」自治労連の「特別な任務」の実践を大きく前進させ、「安倍改憲NO! 3000万人署名」のとりくみを継続していきましょう。その目標は、安倍首相が改憲をあきらめるまでです。
平和を考えるとりくみがこの夏も各地で開催されます。平和主義、基本的人権の尊重、国民主権をかかげた日本国憲法と、それを不断の努力によって守り続けてきた住民運動のみなさんと交流し、平和を考え、その実践を自治労連大会に持ち寄りましょう。
各地の最賃闘争
格差拡大許さず抜本的引き上げを
全国最賃引き上げ目安は「26円」
民間労働者だけでなく、公務公共サービス職場で働く労働者の賃金底上げや、公務員高卒初任給にも大きく影響する最低賃金の引き上げ額の全国目安を決める中央最低賃金審議会が7月24日に行われ、目安額は全国平均26円となりました。
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広がる最賃格差 月額4万円弱へ
今回の目安どおり改定額が確定すると、2018年度の最低賃金平均は874円となります。
この引き上げ目安は、安倍内閣が打ち出してきた年3%引き上げの範囲にとどまり、労働組合や研究者が調査してきた生計費にもとづいている「いますぐどこでも誰でも最賃1000円、めざせ1500円」の水準には遠く及びません。
また、東京などのAランクが27円の引き上げに対して、最も低い沖縄などのDランクは23円の引き上げ目安にとどまり、最賃額の格差はさらに広がって225円となり、月平均所定労働時間(月174時間換算)にすると3万9150円の月給格差となります。
今後、地方最賃審議会での議論で改定額が決定しますが、各地で最賃の大幅引き上げと、全国一律最賃制度の実現を求める声をさらに大きくしていくことが必要です。
全国ですすむ 意見書・署名提出
全国各地でも各都道府県審議会への要請や意見書提出、署名提出がすすんでいます。
愛知県労働組合総連合では翌25日に、愛知県審議会へ提出した意見書をもとに「愛知の最低賃金を今すぐ1000円以上に。密室のスピード審議ではなく、公開の場で審議を行え」と記者会見をしました。記者会見では、自治労連愛知県本部から、公契約条例や最賃生活体験者の声を紹介して、最賃大幅引き上げを訴えました。
原発立地・周辺自治体を訪問し懇談(茨城県)
再稼働 「事前了解」自治体拡大協定締結
自治労連原発ゼロ・再生可能エネルギー政策検討委員会
2018年11月に営業運転開始から40年の運転期限を迎える東海第二原発(茨城県東海村)は、期限延長の審査が予定されています。2018年3月29日には原発の再稼働等について「同意についての事前了解」を茨城県と立地自治体だけでなく、隣接市と一部隣々接市にも拡大する新安全協定が、国内で初めて周辺5市を含め、6市村により締結されました。
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自治労連は国・自治体のエネルギー政策を具体的に検討する「原発ゼロ・再生可能エネルギー政策検討委員会」で、6月20~21日にかけて、東海第二原発と原発立地・周辺自治体を訪問し、事業者である日本原子力発電株式会社、立地自治体である東海村と隣接市の那珂(なか)市、ひたちなか市、茨城県との懇談を実施しました。この訪問には、茨城自治労連から白石勝巳特別執行委員(県労連議長)と澤口彰紀執行委員、潮来(いたこ)市職の組合員も参加しました。
今回、那珂市への訪問では海野徹(うみのとおる)市長と懇談を行い、協定締結について海野市長は「原子力災害において、立地自治体と隣接自治体はまったく同じ。(原子力所在地域首長)懇談会を立ち上げた東海村の村上前村長の動きがあったのが大きい」と述べました。
県が独自に稼働 判断はできない
訪問の最後に茨城県庁を訪問。防災・危機管理部原子力安全対策課の課長補佐など3人が対応しました。今回結ばれた新協定について茨城県の見解を聞くと、「新協定では県はオブザーバーの立場。県知事は、非常にいい形だと評価している」と述べました。
また実質的に事前同意権が広げられたことに対する県の考えについて、仮定の話にはなると前置きしつつ「6市村の意見が一致していない状況で、県が独自に再稼働の判断をすることはできない」と答えました。今後の各自治体の対応が注目されます。
すすむ非正規公共評(44)
議会へ理解を求め処遇改善となる条例を要請
広島自治労連 広島市嘱託労組連絡会
広島市嘱託労組連絡会は、6月18日に広島市議会各会派を訪問し、「広島市で働く臨時・非常勤職員の処遇改善についての要請」と「公務職場の嘱託職員の実態を訴えるレポート2017」を提出しました。
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職員の実態を伝え、処遇改善と合わせ、継続雇用を基本とした条例改正を行わせるためです。
多くの会派では、「これから制度について勉強したい」「担当課に話を聞いて考えていく」との状況でした。
広島市には、約5800人の嘱託職員、約7800人の臨時職員がいます。その多くが恒常的な業務に就いていますが、劣悪な賃金・労働条件であり、多くの職場で欠員状態です。
そういった職員の実態と会計年度任用職員制度の問題点を伝えると、各会派の議員からは「箱物をつくっても保育士が集まらない状況は、大きな問題だ」、「待遇改善しないといけない。国に金を出せと言わないといけない」、「正規がやるべき仕事を非正規に押し付けている現実を是正すべき」、「会計年度任用職員制度は『いつまでも非正規・いつでも雇い止め』そのもの」、「できるだけ尽力する」など意見が述べられました。
その後、市議会本会議で、会計年度任用職員についての一般質問を受けた当局は「一時金が支給でき、臨時職員にとっては処遇改善となる」「給料表等を定めて毎年の給料改定が行われれば嘱託職員も大きく処遇改善となる」と回答。しかし、一時金や基本給の水準などは明確にされていません。
労組連絡会は、より良い労働条件と賃金改善の実現のため、引き続き当局との交渉や市議会への要請にとりくんでいきます。
シリーズ14 いちから学ぶ仕事と権利
「一括法」廃止の声をあげよう 実効性ある労働時間規制を
「働き方改革」でどうなる職場と社会
第196回通常国会で強行採決され成立した「働き方改革」一括法で、最終的に何が決まったのでしょうか。
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今回の「一括法」は、「生産性の向上」をひたすらに追求する財界の要求にそって、本来労働者を守るべき労働政策の役割を放棄し、労働者のいのちと健康を危険にさらすものとなりました。
時間外労働の上限は、「月45時間かつ年360時間」が原則となりましたが、一方で特別な事情がある場合として「年720時間」まで認められ、①単月100時間未満(休日労働含む)、②2~6カ月の平均で80時間以内(休日労働含む)、③月45時間の原則を上回るのは年6回までの条件が付いていますが、過労死ラインの月80時間を超える労働が合法化されました。なお、違反企業や労務担当者には罰則が科せられます。
また、「高度プロフェッショナル制度」は、本人の同意と各企業の労使委員会による決議が必要となりましたが、年収1075万円以上の高度専門業務の労働者については、「年104日以上」かつ「4週で4日以上」の休日取得の義務付けと①勤務間インターバル、②働く時間の上限設定、③連続2週間の休日確保、④臨時の健康診断のいずれかを実施すれば、労働時間規制や時間外手当の対象から外すことができます。企業が④を選択した場合、対象者を過労死するまで際限なく働かせても違法とならず、長時間労働を野放しにする制度です。
来年4月からの施行にむけて「一括法」の詳細は、90を超える政省令や指針にゆだねられています。今後の労働政策審議会に対する働きかけが重要になっていきます。
自治体・公務公共の職場でも長時間過密労働が蔓延しており、過労死・過労自死が後を絶たない現状です。この「一括法」による悪影響から職場の仲間を守り、職場改善をすすめることが必要です。
「一括法」の廃止と、「働くルール」が守られ、さらに実効性ある労働時間規制により、健康で安心して働ける職場づくりのために職場と地域から声をあげていきましょう。
みんなで学んで元気に
第38回 自治体にはたらく女性の全国交流集会 in 岩手 7月7~8日
第38回自治体にはたらく女性の全国交流集会が岩手・盛岡市内で行われました。地域住民のいのちとくらしを守る自治体労働者の役割を確認しあい、参加者も現地実行委員も元気が出た集会となりました。
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1日目の全体会では、3人の仲間から特別報告がありました。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・大槌町職からは、復興の現状と派遣職員の受け入れ打ち切りや任期付職員の採用打ち切りなどの問題を報告しました。
同じく岩手の岩泉町職からは、2年前の台風10号災害で崩落した「生活橋(河川地域の住民が私費で架けている橋)」の復旧に、公的支援の必要性などを訴えました。
愛知県本部女性部は、今年実施した愛知県保育労働実態調査で見えてきた保育所の労働実態と課題について報告しました。どの報告にも会場からは共感の拍手があがりました。
声あげ、行動し続ける 未来を見据えた復興を
記念講演には、福島・南相馬市で農業を営みながら、福島の情報を発信し続けている三浦広志さんが登壇。農業・畜産業の復興に向け、東電や政府、県などと交渉を行い、お米の全量検査を実施させてきた経験などが話されました。
「原発事故の処理はまだ始まっていない、廃炉にむけ片づけを始めたばかり。福島の危険と安全を正しく伝えることが大事」と、原発20キロ圏内ツアーも毎年実施し、昨年は3931人が参加しました。
三浦さんは、「復興の第一歩はコミュニティの再構築。人間の元気を復活させること」だと、交流企画や農業ワークショップにも力を注いでいることを紹介しました。
最後に「原発のリスクを最小限に抑えながら私たちは生活しています。未来のために逃げ出したいけれど逃げ出せません。声をあげ続け、交渉し続け、行動し続けます」と語りました。
ひとりでも多く学びを共有したい
2日目は、6つの分科会のほか、憲法カフェや講座、盛岡市内の史跡巡り、被災地陸前高田市の視察も実施されました。
分科会「女性の視点から見る東日本大震災」では、避難所生活で起こった事例を紹介しながら、声を上げられない女性、障害者や高齢者など弱者への配慮の問題に、自治体職員、そして女性がどのような視点で対応していくべきかを学びました。参加者はメモを取り、うなずきながら真剣に聴き入っていました。
「仕事を休んで参加するのは大変ですが、ひとりでも多く、この学びを共有したい。とても元気が出ました」と参加者から感想が届きました。2日間でのべ431人が楽しく学び交流しました。
18年国民平和大行進
列島各地からヒロシマ、ナガサキへ
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核兵器がない世界を
自治労連島根県事務所
7月23日は松江市内を行進。夕方の市内中心部コースは酷暑のなか約100人が参加。
猛暑のなかでも笑顔で行進
京都自治労連
滋賀自治労連から旗を引き継ぎ、猛暑のなかでも元気よく平和行進を歩く京都の仲間。
若い世代でバトンタッチ
奈良自治労連
奈良水道労組と京都・精華町職の青年たちが奈良市の般若寺で引継ぎを行いました。
平和行進歓迎集会
静岡自治労連
浜松市で行った歓迎集会。世界に広がる核廃絶の流れを多くの参加者で学習し行進へ。
平和をアピール
反核ライダー 自治労連秋田県本部
7月13日、県本部青年部主催の「反核ライダー」隊が連なって平和をアピールしました。