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5. 「命の沙汰もカネしだい」の医療制度大改悪

政府は2006年の国会で医療制度「改革」関連法案を提出する予定です。
ところがその内容は、まさに「命の沙汰もカネしだい」というべき大改悪です。

その①  団塊世代をターゲットにした高齢者医療の改悪

 2007年から団塊世代が定年退職を迎え、高齢者が増加します。政府は、そうした世代に焦点をあてて、高齢化がピークとなる2025年にむけて、高齢者の負担増と給付削減によって高齢者医療費を抑制する計画です。
*高齢者の患者負担を1割から2割へ(一定所得以上の高齢者は2割から3割へ)
*すべての高齢者から保険料を徴収

その② 長期入院の食費・居住費を全額患者負担に

 介護保険の改悪にならって、月3万円程度の負担増が検討されています。一般入院も、保険から給付される「食事療養費」の減額が検討されており、現行の患者標準負担額1日780円引き上げの可能性もあります。

その③ 風邪、腹痛などは全額患者負担に

 かぜ薬、ビタミン剤、漢方薬など一般に市販されている薬を保険給付の対象から外す、風邪や腹痛など低額な医療費は全額患者負担(保険免責制度の導入)にする、終末期医療については患者負担を増やして受けるかどうかの選択を迫る、などさまざまな案が検討されています。

その④ 患者負担の月額上限の引き上げ(高額療養費制度の改悪)

 高額の医療費を払った人に対し一定の差額を払い戻す高額療養費制度がありますが、その上限を引き上げることが検討されています。

 

負担増だけではない政府の医療改悪計画

その① 都道府県単位で医療費抑制を競わせ、保険料に格差

 政府管掌健康保険(政管健保)、国民健康保険(国保)、高齢者医療制度などの医療保険制度を、都道府県単位を軸に再編する計画です。
 その第一のねらいは、国の運営責任と財政負担の軽減です。もうひとつのねらいは、それぞれの医療保険ごとに医療費抑制を競わせることです。成果の上がらないところには補助金の削減などペナルティを課し、保険料引き上げを余儀なくさせます。

その② 「混合診療」や株式会社病院で医療をもうけの対象に

 医療保険で必要な医療を保障するというのが皆保険制度の原則です。ところが政府は、「混合診療」といって保険のきかない医療を増やし、医療費への公的負担を減らそうとしています。患者負担が大幅に増えることになり、ガンの特効薬や最新の医療技術を受けられるのは負担増に耐えられるお金持ちだけになってしまいます。
 近ごろ日本やアメリカの民間保険会社が医療保険の販売に力を入れているのは、こうした状況を見越しているからです。

 

 日本国憲法第25条第1項では、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」の保障が規定されています。これは、生存ぎりぎりの最低生活という意味ではなく、人間としての尊厳にふさわしい生活を意味しています。そして第2項には、その権利を保障するための社会保障制度の充実など、国が責任をもつべきことを明記しています。 ところがこの間、「自己責任」や「自助自立」などの名目で、医療・年金・介護など各制度が、お金のない人には十分な社会保障が受けられないような制度に改悪され、憲法25条で謳われる「生存権保障」が形だけのものになってきているのが現実です。 「すべての国民の命とくらしを守るため、国の責任で社会保障の充実を!」という声を、医療・福祉など社会保障にかかわる職場から大きく上げていきましょう。

第二十五条【生存権、国の生存権保障義務】
1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


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