当時運輸相として国鉄民営化をすすめた橋本元首相が「国鉄民営化をほめてくれる人がいるが、JR西日本の福知山線脱線事故が起きてものすごく後悔している」(産経新聞2005年12月22日)というように、安全よりもうけを優先する民営化が、あまりにも大きな代償を国民にもたらしていることに、国民の危惧が広がっています。
事故を検証するために市が設置した「PFI方式による公共サービスの安全性確保に関する検討委員会」が12月に発表した「中間報告」でも、「PFIだから事故が起こりやすいということはなく、事故を防ぐことができないということも、断じてない」と強弁しながら、一方では「官により施設整備が行われていれば、事故を未然に防ぐことができた可能性は高い」と指摘しているように、PFIと事故との因果関係を事実上認めています。
しかも市の施設でありながら設計施工はPFI事業者任せ、事故が発生して住民の安全や権利が侵害されても、市は「PFI契約では直接責任は事業者」であることを理由に被害者・住民への説明や謝罪を後回しにするなど、きわめて無責任な対応に終始しています。
民間企業の競争的算入によって人件費削減を競い合い、民間企業だけでなく社会福祉法人等が運営する保育所でも、園長も雇用期間が1年単位の「契約社員」、保育士の半分以上が「パートタイム労働者」という保育所が増えています。その結果、民営化された公立保育園では、受託企業が雇用した園長、保育士のほとんどが1年も経たないうちに入れ替わり、子どもや保護者との信頼関係が壊れ、子どもを物置に閉じ込めるなどの問題を起こす事件が続出していることも報道されています。
「規制緩和・民間開放」は、人間らしく暮らし・働き、育ちたいという国民の願いに逆行するものであり、生活のあらゆる分野にゆがみを生じさせています。ところが、小泉内閣は「規制緩和・民間開放」を見直すのではなく、さらに推進しています。
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