自治体が「特定公共サービス」に市場化テストを適用する場合、自治体の長が、あらかじめ民間企業等の意見を聴いて、市場化テストの実施に関する方針(実施方針)を作成し(第8条1項、3項)、審議会又は合議制の機関の議を経て、業務ごとに実施要領を定め(第16条1項、同5項、第18条1項、同5項)、実施後、議会の議決を経て、民間企業等との間で契約が締結されることになります(第34条3項)。
「公の施設」に対する指定管理メ制度の適用においては、施設の公共性、専門性、継続性をふまえ、民間企業等の競争的参入を規制し、実績のある非営利の公共的団体などを公募によらずに指名するなど、住民・利用メの声に耳を傾けた対応をおこなった自治体が数多く生まれました。しかし財界・大企業の利益代表者にとっては、このような「制限」が気に入らず、「選定プロセスの透明性が低い事例も見受けられる」(「第2次答申」)などと悪罵を投げつけ、市場化テストによって根こそぎ財界・大企業に都合がよいルールを押し付けようとしています。
第2に、事実上の強要が行われるということです。これまでもPFIや民営化(指定管理者制度等)、新地方行革指針・集中改革プランなどにおいて、国が自治体に対して「技術的助言」や補助金等での「裁量権」を使って押し付けてきました。
竹中総務相は、2005年12月26日付けで、すべての市町村長等に宛てて「市場化テストにつきましても、改革のあらたなツールとして積極的な活用をご検討頂きたい」という書簡を送り付け、さらに2006年1月に開催した全国都道府県総務部長会議では「行革努力を交付税算定に反映するため、平成17年度から行革インセンティブ算定を導入したが、今回、行革努力の実績を地域振興関係経費に反映する算定を新設し、算入額を概ね倍増する」旨を明言しています。
自治体は、地方自治の本旨(住民自治、団体自治)に則り、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」(地方自治法第2条)を責務としているのであり、そのやり方を国が指示することは、地方自治の本旨を蹂躙するものです。
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