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特徴と問題 (5)地域経済を疲弊させ、談合・癒着の温床に

 

(5)地域経済を疲弊させ、談合・癒着の温床に
 地方自治法改正(2003年)によって民間企業等が「公の施設」を包括的に管理代行できるようになって3年が経過しました。当初は非営利の公共的団体が指定管理者に指定される例が多かったのですが、徐々に全国展開する大企業の参入が拡大しています。

 しかし「市場化テスト法案」の場合は、全国展開する大企業にきわめて有利な制度です。内閣総理大臣が、民間企業等の意見を聴いて、自治体業務のなかから「特定公共サービス」を特定し、基本方針を策定し、法令上の特例措置を設けるプロセスは(3)で述べたとおりです。ここで国の方針に直接関与できるのは、中小零細企業ではなく、全国展開する大企業・ベンチャー企業です。しかも「特定公共サービス」は一定のまとまりを想定していますから、市区町村、都道府県の境界をこえて展開する民間企業等がその対象といえます。

 したがって市場化テストは、指定管理者制度と比較にならないほど、全国展開する大企業の参入にとって有利な制度です。その結果、地域の経済循環という観点からすれば、利益は本社機能のある大都市へと吸い上げられ、一方現場業務は不安定雇用によってまかなわれることから地域経済の疲弊をさらに拡大するおそれがあります。

 しかも規制緩和によって莫大な利権を手に入れることができるので、政官財の癒着の温床となる恐れがきわめて高いものです。


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