特徴と問題 (2)財界・民間企業等のイニシアティブが貫かれる

(2)財界・民間企業等のイニシアティブが貫かれる
 「市場化テスト法案」では、財界や民間企業等の提案を優先的に反映させるための2つの仕組みを設けています。
<民間企業等の意見を直接反映>
 第1は、国(内閣総理大臣)が策定する「公共サービス改革基本方針」(以下「基本方
針」)に直接、民間企業等の意見を反映される仕組みです。
(公共サービス改革基本方針)
第7条3項 内閣総理大臣は、…あらかじめ、民間事業者が公共サービスに関しその実施を自ら担うことができると考える業務の範囲およびこれに関し政府が講ずべき措置について、民間事業者の意見を聴くものとする。
 どの業務を市場化テストの対象にするのか、どのような規制緩和をおこなうのかを参入したい民間企業等から聴いて決定するというものです。主権者である国民ではなく、算入したい民間企業等に公共サービスのあり方を決定する特別な地位を与えていることが、第1の仕組みです。
<財界・民間企業の利益代表が可否を判断し、監視まで>
 第2は、財界や民間企業等の利益を代表する「官民競争入札等監理委員会」(以下「監理委員会」)に、基本方針の策定や実施プロセスのすべてに関与し、勧告する権限を与えていることです。
第7条6項 内閣総理大臣は、公共サービス改革基本方針の案を定めようとするときは、官民競争入札等監理委員会…の議を経なければならない。
 監理委員会にはこれほど強力な権限を付与していますが、この監理委員会の性格については「規制改革・民間開放推進会議」の「『小さくて効率的な政府』の実現に向けて公共サービス効率化法(市場化テスト法)案の骨子等」(以下「法案の骨子等」)でわかりやすく説明しています。

 「第三者機関」(法案では「官民競争入札等監理委員会」)の体制については、…民間人を中心とした専門性の高い優秀なスタッフを一定程度有するものとすべきである。なお「市場化テスト」における「中立性」の概念とは…「市場でできることは市場で行わせる」、「官業に対して民業の効率性との対比で費用対効果を厳格に検証する」という基本的な立場に立ち…実際の法の運用に当てはめることができるという性質を意味する。

(「法案の骨子等」における「第三者機関」が市場化テスト法案では「官民競争入札等監理委員会」とされています。)

 つまり監理委員会の基本的立場は、第1に「官から民へ」の推進、第2に「効率化・経費削減」にあるのであって、公共サービスのそれぞれの役割に着目して、その改善をはかるという国民全体の立場には立っていません。市場化テストの対象事業とするかどうかの判断、実施に対する監視等を、財界・大企業の意向を反映した「監理委員会」がまず先におこなうところにもうひとつの仕組みがあります。

しかも「監理委員会」は「官民競争入札等の公正な実施の監視等を行うものとする」(「法律案の概要」)というように「大目付」の役割まで併せ持っています。

本来、主権者である国民と政府、住民と自治体との関係で決すべき公務・公共サービスのあり方について、提案は民間企業等がおこない、行司も、その後の見張りも財界・大企業の代表が担うのですから、おおよそ国民全体の立場にたった制度とはいえません。


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