2010年6月号 Vol.439

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石楠花はネパールの国花です。ほとんど白色のような薄いピンクから、赤い色までありますが、それらがあらゆる場所で咲いています。麓に近いほど濃い色が多いようです。
首都カトマンズから車で8時間、ジリ周辺の山腹でテント6泊の、観光旅行としてはなかなかハードなツアーに、私を含め焼津から9人の仲間で参加しました。
石楠花の開花は、2月中旬ごろに麓から始まり、シーズン最後の5月中旬ごろになると3000メートルくらいの高地で咲くため、私たちが訪れた4月後半〜5月初旬は高地まで上ることになりました。
標高2500〜3600メートルのトレッキングのうえ、泊まりはテントですが、慣れれば楽しいものです。とはいえ天候の悪化で嵐に見舞われ、夕方から夜にかけて雷鳴が轟き、テントにバラバラと霰(あられ)が降り注ぎ、テントが飛ばされるかと思うほどの強風にさらされた日は、さすがに生きた心地がしませんでした。しかしその嵐が過ぎ去った朝は、すがすがしいだけでなく、思いがけない光景に出会うことができました。目の前に広がる一面まっ白な世界。でもこれは雪ではなく、霰が積もったものです。
この時期のネパールは麦の秋で、麓ではそこかしこで麦の刈り取りが見られます。家族総出で刈っているのです。牛やヤギの放牧で子どもが家畜の番、夕暮れになると煙が上がり、まるで里山を歩いているような気分です。「日本もしばらく前はこうだったな」と懐かしさと同時に、ネパールの貧しさも感じます。
驚いたのは脱穀の方法です。麦を道路に並べトラックやバスが通るときにタイヤに轢いてもらうのです。車が来ては並べ、通り過ぎれば箒で掃いて箕に取りこむ。危ないけれど、これが日常茶飯事の光景なのです。
▲ネパールの国花・石楠花。テント泊地の周辺でもたくさん咲いていましたが、嵐で多くの花がダメに… |
▲「霰が降り注ぐテント生活も慣れれば平気」と元気な下村さん |


