2010年3月号 Vol.436

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1926(大正15)年、洋次郎が26歳で赴任した横手市は『山と川のある町』など、多くの作品の舞台として洋次郎文学をはぐくみ、洋次郎のその後の人生にも大きな影響を与えたと言われています。
この「石坂洋次郎文学記念館」では、「教師」「作家」と2つのスペースに分けられており、それぞれの時代を写真やパネル、生原稿展示などで追っています。
来館者の目を一番引くのは、映画化された洋次郎作品のポスターでしょう。最多映画化は『青い山脈』で5回、『若い人』が4回、『陽のあたる坂道』が3回です。特に1949(昭和24)年に公開された『青い山脈』(東宝製作)は、主演の原節子を中心としたスチール写真も多く、ファンの注目を集めることでしょう。また日活で映画化された作品のポスターでは、石原裕次郎、北原三枝、吉永小百合など、往年の日活スターたちの若い姿が懐かしさをかき立てます。
横手で始まった洋次郎の作家生活は、1時間近い道のりを歩いて学校に通い、日中は教師、放課後は生徒と一緒にスポーツ、夜に原稿執筆という、まさに「二足のわらじ」を履き続けた厳しいものでした。そんな生活のなかで連載していた『若い人』は、1936(昭和11)年に第1回三田文学賞を受賞、洋次郎は2年後に退職・上京し、本格的な作家生活に移ります。社会が戦争へと動き出す暗い時代にあっても、洋次郎はみずみずしい青春や恋愛を描き、若い世代に強い支持を受けました。
横手城にある文学碑に刻まれた『若い人』の一節「小さな完成よりも あなたの孕んでいる未完成の方がはるかに大きいものであり得ることを忘れてはならないと思う」に、洋次郎の信じる「若さの可能性」への夢が込められています。
▲冬の秋田では、雪に囲まれた文学館が迎えてくれます |
▲映画ポスターで年代を追いながら青春を振り返ってください |
ミュージアムメモ
| 所在地/ | 〒013−0005 秋田県横手市幸町2−10 |
| 交通/ | JR横手駅より羽後交通バス「大曲」行き7分「幸町」下車してすぐ |
| 開館時間/ | 午前9時〜午後4時30分 |
| 入館料/ | 4館共通入場券で100円 (横手市ふれあいセンターかまくら館・後三年の役金沢資料館・横手城展望台を含む4館がすべて100円) |
| 休館日/ | 毎週月曜(休日の時は翌日) および祝日の翌日・年末年始 |
| 問い合わせ/ | 0182−33−5052 |

