自治体の仲間

 

2010年2月号 Vol.435

悠湯旅情
第115湯
日本海の荒波と温泉の里 福井県あわら市
あわら温泉と永平寺参拝で身も心もあらわれて
 あわら市は福井県の最北端。温泉郷・芦原町と東尋坊で知られる宿場町の金津町が2004年に合併し、あわら市となりました。
 温泉の歴史は新しく、1833(明治16)年、農夫が灌漑(かんがい)用の井戸を掘っていたところ温泉が湧き、その後、旧国鉄三国鉄道の開通とともに温泉街として発展してきました。泉質は、旅館によって微妙に違うようです。公共の温泉施設『セントピアあわら』もあります。温まった後は、この時期、越前蟹が絶品です。
 福井県出身の作家・水上勉は、芦原温泉の娼妓と隣の武生市の山里に住む実直な竹細工職人との悲しい恋物語『越前竹人形』を執筆しました。内田康夫の浅見光彦シリーズ『竹人形殺人事件』では、水上勉の『越前竹人形』に関連して事件が展開するので、合わせてどうぞ。
 あわら市の東尋坊は有名ですが、今回は、丸岡城と永平寺へ行くことに。
 隣の坂井市にある丸岡城は、織田信長の家臣・柴田勝家の甥・勝豊により1576(天正4)年に築城されました。屋根は珍しい石瓦で、現存する日本最古の天守閣として国の重要文化財に指定されています。
 丸岡城には悲しい伝説もあります。城の石垣を作る際、何度も崩れたため、人柱を立てることに。夫に先立たれ、2人の息子を抱えた片目の不自由なお静が、息子の一人を武士にとりたてる約束で人柱に立ちます。しかし、約束は守られず、お静は亡霊となり、やがて片目の蛇となり城の井戸にすみつくようになったと語りつがれています。
 丸岡城から車で約30分、永平寺は、吉田郡永平寺町にある曹洞宗の大本山です。約770年前の1244(寛元2)年、道元禅師によって開かれました。
 さすがに修行の地、この季節には痛いほどの寒さです。一般参拝者コースの最初は、予想に反して近代的で暖房のきいたビルでした。まず、参拝者がそろって永平寺の歴史、各御堂の配置や参拝の心得を聞きます。「近代的なのは一般用の施設のみで、後は開山した時のままです」と説明されました。トイレ、食事、入浴、睡眠すべてが修行。これは大変です。
 冷たい廊下に背筋を伸ばし立つ若い修行僧。見るだけでも気が引き締まり、帰る頃には、邪なココロがすっかりあらわれました。


▲別名を「霞ヶ城」ともよばれる丸岡城
▲樹齢600年を超える杉に囲まれ 静かにたたずむ永平寺


温泉メモ
【あわら温泉】
交通・自動車/ 北陸自動車道金津IC下車、あわら温泉街へは約15分  
交通・鉄道/ 芦原温泉駅からバスで約20分、またはJR福井駅下車・
えちぜん鉄道乗換、あわら湯のまち駅下車

【セントピアあわら】
所在地/ 福井県あわら市温泉4−305
問い合わせ/ 電話0776−78−4126
入場料/ 大人500円、小中学生300円、
3歳以上幼児200円
定休日/ 火曜日
営業時間/ 午前10時〜午後10時
泉質/ ナトリウム・カルシウム塩化物泉