2008年7月号 Vol.416

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私の目的は美術館めぐりです。中学生のときに見た美術の教科書の中から印象派の画家、モネやルノアール、セザンヌやゴッホの描いたフランスに憧れました。今でこそ日本各地の美術館で数々の印象派の絵を観ることはできますが、当時は非常に難しいことでした。日本の経済成長とともに美術館の所蔵品も充実し、今では気軽に鑑賞できます。
パリの美術館、ルーブルやオルセーを限られた日数で見ることは難しいことから、最も有名な「モナリザ」や「ミロのビーナス」にたくさんの人が集まります。そこでパチパチと写真を撮っていて、日本とは大違い。誰もが知っている絵画を前にして大感激です。また、セザンヌが何十回と描いたサントヴィクトワール山、ゴッホのアルルの跳ね橋、キャフェテリアなど、その地を訪れることができ、大変満足しました。
中学生の時から憧れていたフランス旅行を現実にしたのは今から15年前、そして今年再び訪れ、パリの景観も変わっていました。エッフェル塔と同じ高さのタワービル、壁には個性のないたくさんの落書き、雑然としたシャンゼリゼ通り、ユーロに変わり物価も上昇し、朝食にクロワッサンなどは贅沢だそうです。日本と同じく若者の失業率が高く、大都市はゆとりがないのか、お洒落な雰囲気とは少し異なっていました。しかし、まだフランスには何百年も変わらない景色があります。モンサンミッシェルに向かうローヌ川からロワーヌ川沿いの田園風景、時折現れる小さな村の白壁とレンガ屋根の家、それはまるでおとぎ話の世界であり、ミレーの『落穂ひろい』の世界がそのまま残っていて、どこまでも続いていました。
世界遺産、教会など名所はたくさんありますが、私が最も美しいと感じたのはいつまでも果てしなく続く緑の絨毯の丘でした。そこにはもうひとつのフランスがありました。
▲世界遺産のフランソワ1世シャンポール城の庭園 |
▲ゴッホが入院したサンレミの病院の中庭。この風景画はひろしま美術館が所蔵しています |


