自治労連機関紙
2006年12月号 Vol.397

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日本で最も人数の少ないプロのオーケストラが 「財団法人ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉」です。楽団員は15人、エキストラ奏者を加えなければ演奏会が成り立ちません。日本オーケストラ連盟加盟の平均は75人ほどですから、驚きです。その「ニューフィル千葉」に対して、人件費の圧縮と自立型の財団運営という、「改革」が県当局から突きつけられ、存亡の危機に直面、たたかうことを決意し、千葉県職労に加入しました。
「ニューフィル千葉」は1985年の発足以来、県内唯一のプロオーケストラとして、定期演奏会や地域コンサート、そして、児童生徒が音楽の楽しさ素晴らしさを肌で感じられるようにとの小・中・高等学校や養護学校などでの音楽鑑賞教室の開催など地域に根ざした音楽活動を担ってきました。しかし近年は、各学校でも文化予算が削られ、音楽鑑賞教室もピーク時の約半数の89回と激減、財団運営に影響しています。
欧米ではオーケストラを育てるのに100年かかるといわれていますが、「ニューフィル千葉」には専用の練習場も音楽監督や常任指揮者もいません。監督のいない、そしてメンバーのそろわないプロ野球やサッカーチームを想像すれば、その困難は相当です。
楽団員は、充分な人数と、「ニューフィル千葉」と判るような独特のサウンドを誇るオーケストラを目指したいと切望しています。東京芸術大学・大学院を卒業した支部長の大森啓史さんは、「一人ひとりの声が違うように、同じ楽器でも奏者によって響きが違います。響の調和と熟成が醸し出す魅力的なサウンドは、強い個性と技量を持ったメンバーの長年にわたる切磋琢磨が必要」だといいます。しかし、夏の一時金は全額カット、そして今回、冬の一時金カットと来年度以降の給与の削減、さらに正規雇用から契約制などへ雇用形態を変えることまで迫られています。その一方、財団運営の責任者たちは県からの派遣で、2〜3年で交代。
現在、大森さんたちは、音楽経営のプロを招くなど営業力の強化や、音楽的質の向上を図り「ニューフィル千葉」の文化的商品価値を高めるビジョンこそ重要と要求し自らも努力しています。演奏家に生活の保障がなくて、ゆとりやうるおいが奏でられるのでしょうか?読者の皆さん、文化に触れつつ激励を込めて、演奏会に足を運んでみてはいかがでしょう。
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▲ホルン奏者の大森さん |


