(82) |
 |
滋賀県職 谷川 雅英さん
ベルリン 歓喜のミレニアム演奏会 |
|
|
ミレニアム・カウントダウンが始まった1999年12月31日の夜、バイオリンを手にした谷川雅英さんはベルリンのコンサートホールで拍手喝さいの渦中にいました。アマチュアの「ひこね第九オーケストラ」の一員としてベートーベン交響曲第九番を演奏したのです。
幼少のころ親の勧めでイヤイヤながらはじめたバイオリンは、高校まで続きました。しかし学校の文化祭で演奏するわけでもなく、近しい友人以外は知らない「ただの習い事」でした。一転したのは、土木工学科に合格した大学で、管弦楽団に漠然と入部してからです。ソロとは違って、100人のオーケストラでのアンサンブルはとても難しく、と同時に魅力的に映りました。「大学時代はオーケストラに生きていた」と言うほど音楽浸けの毎日。年3回の合宿は朝から晩までの練習が1週間続き、「最後には、赤いじゅうたんの黒い斑点が音符♪に見えました」と楽しそうに話してくれました。
卒業後、大学の先輩に誘われて1998年の「ひこね第九オーケストラ」の結成メンバーになりました。年末の「第九」を成功させ、そして翌年、大使館や外務省などが行った「ドイツにおける日本年」行事の一環として開催されたベルリン演奏会に参加しました。冷戦の象徴であった「ベルリンの壁」の地から、世界と未来に向かって感動を発信するという企画でした。本場ドイツの聴衆は「音楽にとても厳しいから拍手してくれないかも、と言われていましたから、拍手をいただいたときはとてもうれしかったですね。東西の交流にも貢献することでもあり、みんなで感動しました」。
仕事は、農業用水施設の設計や現場監督などです。一昔前と違って、設計段階から住民の意見を取り入れるなど協働の必要性もあり、日頃のコミュニケーションが大切とのことです。
「ひこね第九オーケストラ」は年3回のコンサートを開催しています。春のファミリーコンサートは“子どもたちに生の演奏を”がメインのため、騒いでもOK。夏のクラシックコンサートは静寂の中です。そして冬は第九です。「誰もが気軽にクラシックに触れられる環境をつくりたい」という谷川さんの想いは、今年もバイオリンの音色に託されます。
▲1999年11月31日ドイツ・ベルリンSFBホールにて |
 |
▲いずれは娘と妻とでファミリーコンサートを |
|