2006年3月号 Vol.388

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日本が生んだ世界的博物学者の南方熊楠(みなかた・くまぐす)は、1867年4月15日に、和歌山県田辺町に生まれました。幼い時から驚くべき記憶力の持ち主だった南方熊楠は「歩くエンサイクロペディア(百科事典)」と称される一方、アカデミックな権威を嫌い、生涯を通じて、在野にあって反骨の精神を貫き通しました。
田辺に近い湯の町・白浜の海に突き出た高台の地に、1965年4月、南方熊楠記念館が開館しました。資料、遺品、愛用品などを詳しく紹介・展示しています。
熊楠は19歳の時に渡米し、粘菌(世界に600種ほど発見されている森や薮の腐ったような地面に普通に見られるアメーバー状の菌)の魅力にとりつかれ、研究に没頭。サーカス団に入ってキューバに渡るなど苦学をしながらも、今度はイギリスに渡りました。その抜群の語学力と博識で大英博物館の東洋関係文物の整理を依頼される一方、科学雑誌「ネイチャー」に数多くの論文を発表。また、この時期に孫文と知り合い親交も結んでいます。
33歳で帰国すると、精力的に粘菌の研究に打ち込み、その採集のため熊野の山に分け入り、数々の新種を発見しました。一切のアカデミズムに背をむけ、独創的な学問と天衣無縫で豪放な言動は、世間から奇人呼ばわりをされました。しかし、実はやさしい含羞の人であり、自然保護運動に命をかけて闘いぬいた巨人でもありました。1941年12月29日、その才能を惜しまれながら74歳で永眠。
熊楠には多くの編著がありますが、干支の動物にまつわる世界の伝承、民話、風習を集めた『十二支孝』は抜群のおもしろさです。
記念館で、膨大な熊楠の足跡をたどるだけで、ぐったりと疲れてしまいます。どこまでも広がる白浜の海を見るとほっとします。
▲心血を注いだ植物群に囲まれた記念館 |
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ミュージアムメモ
| 所在地/ | 〒649−2211 和歌山県西牟婁郡白浜町360−1 |
| 開館時間/ | 9時〜17時 |
| 休館日/ | 毎週木曜日・年末年始 |
| 入館料/ | 大人400円、小・中学生200円 |
| 交通/ | 白浜駅または紀伊田辺駅からバス |
| 問い合せ/ | 0739−42−2872 |

