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毎日書道展 篆刻の部で毎日賞
時空を超え古文字の世界に遊ぶ
みなさん、篆刻(テンコク)という言葉をご存知ですか?
篆刻は、印章(ハンコ)から発展したもので、二千数百年前に秦の始皇帝が統一した漢字の最初の古文字、篆書を柔らかい石に刻み、朱色の印泥(朱肉)をつけて紙に押したものを観賞する、書道芸術のひとつです。文字通り「篆書を刻す」で、篆刻です。
富沢正永さんは、昨年開かれた「毎日書道展 篆刻の部」で見事5人しか選ばれない「毎日賞」に輝き、その作品は東京都美術館の第1室のガラスケースに展示されました。しかも新聞紙上にはただ一人、「疎と密なる文字を巧みに交差させ、見事にハーモニーを奏でさせた」との書評が紹介されました。刻まれている文字は、「化被萬方(かひばんぽう)、良い教えは世界に広まる」という意味です。
富沢さんは、市民講座などで学んだだけで、独学で木版画や水彩画、はたまた切り絵もたしなみ、なんと個展も開催。97点もの作品を陳列したそうです。篆刻は、40歳を過ぎてこれまた独学ではじめ、47歳でカルチャー教室に通い、偶然、そこで指導されていた「日展」評議員の高名な先生を師と仰ぐようになりました。
篆刻の魅力とは、「朱白のコントラストが生きるような疎密のバランス、文字のデザイン、一つひとつの線の巧みなど見るものを飽きさせない工夫、そして言葉の意味が重要です。古典を勉強すれば3000年前の文字も読むことができます。とても不思議です」と、まるで時空を飛び超え、3000年の歴史の中にある古文字の世界で遊んでいるように、楽しそうに話してくれました。
組合では支部長をつとめている富沢さん。篆刻と向き合っている時間はリフレッシュになるといいます。ただし、作成にあたっては魂を込めるとも。「『文字には精霊が宿る』といわれます。甲骨文字の時代には『神』との会話をする手段でした。なおざりにはできません」。
篆刻の世界の登竜門である「毎日賞」を受賞した富沢さんの次なる目標は、「日展」に、その名前を刻むことです。
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▲7.5cm×7.0cmの青田石(セイデンセキ)に思いを刻む |