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対岸に比叡山、比良山を望む琵琶湖の湖岸に建つ滋賀県立琵琶湖博物館が秋山さんの職場です。琵琶湖博物館は、琵琶湖文化館の水族部門を継承し平成8年に設立されました。5つのコーナーからなる本館と生態観察水路や太古の森、縄文・弥生の森などの屋外展示があります。
秋山さんは、子どもの頃は無類の虫好き少年で、幼稚園時代に尺取虫を捕まえてそれをハンカチに包み持ち帰ったところ、いつの間にか逃げ出して部屋中尺取虫だらけになったこともありました。とにかく生き物を育てることが好きで標本を作ることなどにはまったく興味なし。高校時代に熱帯魚と出会い、飼育環境が作りやすい魚の飼育に没頭していきました。
昭和49年に琵琶湖文化館の水族部門の職員に採用され、その後、琵琶湖博物館の専門学芸員として採用されました。
現在、博物館には200種以上の魚類が飼育展示されて資料の貸し出しも行われていますが、魚類の写真資料の多くは、秋山さんが琵琶湖文化館時代から撮り貯めたものです。魚をベストな状態で撮るために魚固有の体色を出すよう小道具として貝を置いたり、水槽に移すときに鱗がはがれないように注意しても運悪くはがれると、状態が戻るまで待つことになり、その1枚にこめられた努力はお話を聞いて初めて知りました。秋山さんが学芸員になったころは、琵琶湖には魚がいっぱいいましたが、近年ブラックバスやブルーギルなど外来種が増え、固有種は激減し展示や研究が難しくなってきています。秋山さんは魚の鳴き声の研究もしていて、「ギギ」というナマズの仲間の鳴き声の録音に精力を注がれてきましたが、水の中は音が非常に伝わりやすく、ちょっとの振動にも魚たちが敏感に反応してなかなか鳴かないことや、録音したテープの中から魚の鳴き声だけを取り出す作業に時間がかかること、などから研究が進展していません。しかしぜひやりたいテーマにしています。
この仕事をしていてよかったことは、「学芸員は人に奉仕する職業ではありますが、サマースクールに参加した子どもたちの中から専門の大学に進み研究者となって再会すると、人を育てる仕事しているという喜びを感じる」「これからも人の役にたちたい、博物館を生涯学習の施設として、ホリスティック(全人的)な学習の場を目指してゆきたい」「自然と人間はどうあるべきか、人間が生き延びていきたければ自然環境を守れというべき」との思いが熱く伝わってきました。