保健・福祉・医療を一体としたまちづくりを
自治体病院を中心にした「健康まちづくり構想」を展開させている自治体があります。保健・福祉・医療を機能的に連携させ、高齢者の生きがいづくりを組織し、独自の移送網・在宅支援を支える訪問看護システムを充実させています。 さらには地元商店街とも連携して、地域経済の活性化にも生かすことも考えられます。 こうしたアイデアは行政が上から決めるようなやり方ではうまくいきません。多くの住民のアイデアも取り込み、関係団体も加わってつくっていく必要があります。
住民・患者の声を生かして地域医療・病院の改善・充実を
自治体病院は、住民からの信頼なくしては存在できません。住民の医療ニーズ、病院への要望・苦情などを聞き取り、それを医療改善や病院の運営に生かしていくことが大事です。 患者や地域住民を対象に、病院への要望・苦情、医療に対する要望などを尋ねるアンケート活動を行い、その結果を受けて具体的改善案づくりやシンポジウム・懇談会などの企画にとりくむことが重要です。 病院職員が地域との日常的なつながり・交流をもつことも大切です。自治会(町内会)、老人クラブ、商店会など、地域諸団体(その代表の方)と懇談します。それらの団体とタイアップし、医師の協力も得て「健康教室」などを企画します。
地域・職場から 病院政策づくり運動を
深刻な財政状況にある今日では、病院「合理化・効率化」の攻撃に対して、ただ「反対」をいうだけの運動では十分な反撃にはなりません。住民・患者と病院労働者の立場からの提案型運動にしていくことが大切です。 まず病院の経営の現状と問題点を分析・把握することが必要です。そのうえで、患者への負担増や医療の質の後退につながらない経営改善策について検討していきます。そして、地域の医療状況・特性、住民の医療要求などをふまえた病院の将来方向についての政策づくりにとりくみます。 昨今では、経営コンサルタントなどが当局からの依頼を受けて病院の経営分析を行い、効率化の徹底を求める内容の答申を出し、それを根拠にさまざまな「合理化・効率化」の提案が出される事例が増えています。こうした手法に対しても、的確な問題点の指摘と対置政策を出していくことが求められます。
具体的な攻撃に対しては住民共同を強めてたたかおう
地域医療の後退や自治体病院の役割否定につながる運営形態見直しや再編統廃合など具体的な方針が当局から出されたら、地域住民と共同してたたかう体制をつくっていくことが必要です。 シンポジウムや懇談会を開催し、それを契機に「○○地域医療を守る会」「○○病院の存続・充実を求める会」などの組織を、患者・住民と一緒になって立ち上げます。署名運動を軸に、住民むけビラの配布、患者・住民の「声」の集中、街頭宣伝、首長・議員要請など、あらゆる行動にとりくみます。
自治労連は、全国自治体病院協議会の小山田惠会長と懇談し、自治体病院の役割発揮のために力を合わせていくことを話し合いました。
※全国自治体病院協議会(全自病協)=全国の自治体病院の院長などで構成する社団法人。同協議会の「自治体病院の倫理綱領」では、「地域住民によってつくられた自治体病院は、その地域に不足している医療に積極的に取り組むとともに、地域の医療機関や行政機関との連携を図りながら、公平・公正な医療を提供し、地域住民の健康の維持・増進を図り、地域の発展に貢献することを使命とする」と謳っています。
← 6. 「有事」になっ、、、 | 自治体病院 トップへ戻る →