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8. 公契約の改善は地域・自治体を豊かにする

公契約の改善は地域・自治体を豊かにする
 契約制度を改善し、低価格受注を改善することは、地域経済や自治体財政にとってもたいへん有益です。自治体による適正価格での地元企業への発注は、企業経営や労働者の暮らしを安定させ、それが消費購買力を高め、自治体には税の増収へと結びつくことになります。

自治労連モデルの[特徴1]
公正・適正な賃金・労働条件の確保が公共サービス・公共事業の質を守る

 事業の継続性、安定性が求められる公務にとって、まずもって必要なことは、労働者が安心して働き続けられる条件整備です。このモデルは、自治体発注の公共工事から、業務委託、請負、指定管理者制度による「管理の代行」まで、全ての公契約とその業務に従事する労働者(派遣労働者を含む)を対象にして、労働者の公正・適正な賃金・労働条件の確保こそが公共事業・公共サービスの質を担保することを明確にしました(第一条、第二条、第四条)。
 また第六条では、この仕事だけで生活を維持することが可能な賃金を保障するという意味を込めて、「所定労働時間は週四十時間を原則とし」ました。さらに第三条二項には、入札等によって委託先企業の変更があっても引き続き労働者が働き続けられるよう、自治体の努力義務として労働者の継続雇用を明記しました。

自治労連モデルの[特徴2]
価格競争だけの入札から公共性を実現する入札制度改善へ

 採算を度外視した著しい低価格受注が、企業経営を圧迫し、労働者の賃金を押し下げる要因ともなっています。このモデルでは、「安ければよい」という単純な価格競争を退け、適正な価格に基づき、住民にとって最も有益な公共サービスの提供を評価の基準とする受注を促進するために、公正・適正な賃金・労働条件の確保、公共サービスの質の確保、環境・人権・地域経済への貢献という3項目を受注企業の条件とする入札・選定制度の改善を図りました(第三条)。
 具体的には、公共事業において函館市をはじめ各地で実施されている受注企業への文書指導、2002年に委託契約にも適用が可能になった最低制限価格制度(堺市や弘前市等で導入)の活用が重要です。

自治労連モデルの[特徴3]
公契約で働く労働者の賃金は公務員や同職種を基準に自治体が決定する

 公契約労働者の賃金については、同職種の自治体正規職員の賃金とともに、地域における同職種の労働者に適用される労働協約を基準に、自治体の責任で最低賃金を決定するとしました(第五条)。これは、自治体正規職員の賃金が、生計費原則に基づき、かつ民間の動向を反映するという意味で一定の規範性を持っていると同時に、賃金は労使関係の中で決定されるべきという当たり前の考え方を条例に生かしたものです。
 さらに第七条以下には、賃金支払いや労働者への周知徹底など公契約受注者の責任・義務、受注者への支払い留保など履行確保の方法、自治体がその責任を果たすための監督や制裁措置などについて明確にしました。

 


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