悠湯 旅情2014年2月号 Vol.483

越後三山の山懐の宿「自在館」 36度のラジウム温泉でホカホカに
新潟県栃尾又(とちおまた)温泉

ゆったり「長湯」でストレス解消

 栃尾又温泉は、日本有数の豪雪地帯である八海山など越後三山の山懐の沢沿いにあり、宿は3軒で「自在館」はそのうちの1軒です。

 栃尾又温泉の特徴は、日本屈指のラジウム温泉であり、また泉温が36度と低いことです。

 36度前後の泉温は人にとって、冷たくも、熱くも感じない不感温度であり、長時間入浴すると、温泉成分がじっくりと体内に取り込まれ、じわじわと身体が温まり、神経を鎮め、安眠とストレス解消をもたらすといわれ、ここでは古(いにしえ)より1~2時間も入浴する「長湯」が伝統的な入浴法となっています。

 館内の「霊泉うえの湯」と「霊泉したの湯」は、どちらも源泉かけ流しであり、3軒の宿の共同浴場です。

 この湯の入浴者は瞑想中の哲学者の如く、誰もが目を閉じ、「長湯」に浸り続け、湧き出す湯の音だけが聞こえる静謐(せいひつ)さ漂う浴場です。

 湯船の底から湧き出している36度の源泉かけ流しの湯は、雪が降り積もる厳冬期でも1時間ほどの長湯をすれば、ホカホカに温まり、心も体も癒されます。

 館内には他に、源泉に加温した、貸切露天風呂「うけづの湯」貸切風呂「たぬきの湯」「うさぎの湯」があり、空いていれば無料で何回でも入れます。どの湯も貸切にしては大きめで、雪景色を楽しみながら落ち着いては入れる湯です。

 ラジウム泉は、固体であるラジウムから出るラドン(気体)が湯に溶け込んでいるものです。福島原発事故による放射能汚染が大問題となっていますが、ラドンが放射するα線は、β線、γ線と異なり、紙も通さないほど浸透力が弱く、入浴により皮膚や呼吸、飲泉によって体内に入り、血管を通して全身を刺激し活性化させますが、30分ほどで呼気でなくなり、排尿でほとんどが排出され体内に蓄積されません。原発事故で放出されている放射能とは全くの別物です。

 長湯のあとのビールが格別なのは当然ですが、2時間かけてじっくり焼いた岩魚や鮎は、頭から骨まで食べられ、地元の銘酒「八海山」をより引き立て、杯が止まりません。シメには本場魚沼産のコシヒカリのご飯。湯も食事も◎で、リフレッシュに最適の温泉でした。

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▲雪に覆われた越後三山、栃尾又温泉はその山懐に
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▲「霊泉うえの湯」入口。源泉かけ流し、加温なし。
みんな湯ったり長湯

 


温泉メモ

【新潟県栃尾又(とちおまた)温泉】

所在地/
 
〒946-0087新潟県魚沼市栃尾又温泉
問い合わせ/
025-795-2211
交通/

上越新幹線「浦佐」駅より送迎バスで40分、JR上越線小出駅より路線バス35分
入浴料/
入浴のみの利用はなし、昼食+休憩室;入浴のコースは利用できます
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▲豪雪地帯のなかに佇む「自在館」