いいとこよりみち発見伝2014年4月号 Vol.485

下町の情緒が残る和みの町

猫も同居する谷中銀座と絶景の夕やけだんだん

東京都台東区谷中(やなか)
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▲谷中銀座の入口、夕やけだんだん。奥のアーチをくぐれば買い物客がいっぱいです

谷中は、寺・霊園・商店街など下町らしさが今も残る町として散策する人が絶えません。

JR日暮里駅西口を出て陸橋を左に渡ると、すぐ目に入るのが天王寺。ここには谷中七福神の毘沙門天が奉安されています。道なりに歩いていけば多くの墓石が目の前に。これが谷中霊園です。主として天王寺の境内約10万3000平方㍍を整地した墓地で、およそ7000の墓があります。谷中霊園には15代将軍・徳川慶喜や日本画家・横山大観、俳優の長谷川一夫、森繁久彌など多くの著名人が眠っていることでも有名です。徳川家の墓には大きな案内板が出ていましたが、どこに誰のお墓があるのか探すだけで1日が過ぎそうです。谷中霊園は東京都営墓地ですが、徳川家にかかわる墓地だけは上野・寛永寺の所有。霊園の中央園路は「さくら通り」とも呼ばれ、シーズンには桜のアーチが見事です。

谷中の名所と言えばもうひとつ、谷中銀座。肉屋、魚屋、甘味処など約170㍍に昔ながらの小さな店が60軒ほど集まる商店街です。入口の石段「夕やけだんだん」は、階段の上から商店街を見下ろす風景が夕焼けの絶景スポットであることからこの名がつきました。段数を数えてみたら36段、傾斜は緩やかです。写真を撮っている人が常に4~5人いました。

人気のお店は肉を使った総菜屋さん。商店街にある3店舗にはすべて長蛇の列ができています。メンチカツ、コロッケ、鶏の唐揚など店内で次々と揚げては盛られ、「安いからいくつでも追加していいよ」と店の女性の元気な声が飛び交います。

また、谷中は猫の多い町としても有名。猫のしっぽの形をしたドーナツ、軒先にかかるのれんや店頭のオブジェ、ガイドマップのイラストなど、さまざまな場所に猫が登場しています。屋根の上に白猫を発見と思ったら木彫りの猫でした。野良猫救済活動への協力を呼びかけるチラシやカンパ箱も見かけられ、猫も同居する「和みの商店街」といったところでしょうか。

買ったばかりの1個30円のコロッケをほおばりながら日暮里駅に戻ると、JRの線路に接した谷中霊園北側の高台から東京スカイツリーが見えました。どんなに開発が進んでも、人の心をほっこりとさせる下町の情緒はずっと残り続けて欲しいと思います。

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▲猫の町・谷中銀座には木彫りの猫が7匹います
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▲谷中銀座のオリジナルハンコ屋