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シリーズ57 いちから学ぶ仕事と権利[定年引き上げ(高齢期労働)]

老若を問わず安心して働き続けられる労働環境へ [定年引き上げ(高齢期労働)]

大詰めを迎える定年引き上げの労使交渉ですが、60歳前後の働き方や労働条件をめぐる制度設計が重要になっています。だれもが安心して働き続けられ、自治体の実情に応じた制度とすることが大切です。

総務省は、全体のうち45・4%の自治体が12月議会で条例を整備する予定であることを明らかにしました。

人事院は22人勧の「人事管理に関する報告」で、社会や公務の変化に対応できるよう「給与制度をアップデート」し、俸給表の構造、初任給・昇格・昇給の基準、各種手当など、給与制度についてさまざまな側面から一体的にとりくみをすすめるとしています。これは、定年引き上げにあわせて「昇任・昇格・昇給の基準、俸給表などを見直す」としていることに符合します。

賃金カーブの見直しは生涯賃金に大きな影響を及ぼします。職員が希望を持って働き続けるためにも、定年引き上げに便乗した賃金制度の改悪は許してはなりません。

国と異なる措置でそれぞれ自治体にあった制度を

定年引き上げの交渉がすすんでいる都道府県職では「ピーク時特例」の制度の不備を指摘し、千葉県職・神奈川県職労連・京都府職労連・滋賀県職などで、だれも不利益を被らないための「国と異なる措置」を勝ち取っています。

そのほか、堺市職労では、定年延長者の待遇と再任用との待遇格差の問題を指摘し、再任用職員の給料月額の改善と、期末勤勉手当の役職加算の改善を勝ち取り、北九州市職労でも再任用職員の給与水準の改善を勝ち取っています。

高齢になっても安全・安心して仕事ができる条件を

労働災害(民間)による休業4日以上の死傷者数のうち、60歳以上の労働者が占める割合は、近年増加傾向にあります。自治体内でも高齢者の就労が一層すすむと予測されています。夜勤や危険個所での作業、重量物の扱いや高所作業、視力の低下なども考慮した働き方が労働安全の観点からも重要になっています。

60歳時の給与水準や任用制度、職層構成は、各自治体の事情や職種によっても異なります。高齢者が安心して安全に働ける職場環境の実現が求められています。

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