メニュー

シリーズ43 いちから学ぶ仕事と権利 8時間労働の原則をすべての職場で徹底させよう

法定労働時間

労働基準法では1日8時間労働の原則を定めています。自治体でもこれを超えて労働者を働かせてはいけません。新型コロナ対応や自然災害を理由とした無原則な長時間労働は、労働組合で解決することが必要です。

8時間労働が当たり前になる職場環境へ

労働基準法32条では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とし、これを「法定労働時間」といいます。また、毎週少なくとも1日は休日を設けることも定められています。

日本の労働者の年間総労働時間は、この20年、2000時間前後で高止まりしています。これではILOが21世紀の目標としてかかげる「すべての人へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現」には至りません。

そもそも法定労働時間を超える「時間外労働」は、労働基準法36条で労働組合と協定を締結し、所定の手続きを行った場合にのみ、使用者は労働時間を延長できるとしています。蔓延する長時間労働規制において、36協定の締結など労働組合が重要な役割を持っています。

コロナ危機だからこそ組合で抜本的改善を

またコロナ危機のなか、保健所などで働く自治体職員が過労死基準を超える時間外労働を強いられている報道が後を絶ちません。

労働基準法では、時間外労働の上限(月45時間・年360時間)が罰則付きで定められています。「臨時的」「特別な事情」がある場合であっても月70時間・年720時間を上回ることはできません。このコロナ危機が労働基準法33条第1項「臨時的」「特別な事情」だとしても、厳格な適用と抜本的な対策が必要です。全国の労働組合が現場の要求をもとに自治体当局や国に対して改善を求め、休暇の確保や手当増・人員増など成果を上げています。

労働組合が築いた8時間労働の流れ

18世紀半ばの産業革命以降、世界中の労働者と労働組合が労働者の権利と労働時間規制を求めて声を上げ、1919年にILO(国際労働機関)で「1日8時間・週48時間制」の第1号条約が採択された歴史があります。1935年には「一切の種類の労務に於ける労働時間を能ふ(可能な)限り短縮する為継続的努力の為さるべき」と労働時間短縮をかかげました。

自治労連は、8時間労働原則の徹底とコロナ危機や自然災害にも対応できる体制強化・人員増を求めています。

◆使用者は、労働者を、1日8時間、1週40時間(法定労働時間)を超えて働かせてはならない
これを超えるには、36協定の締結・届出が必要です。

◆労働基準法33条第1項
「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において…労働時間を延長し、又は…休日に労働させることができる。」

関連記事

関連記事