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シリーズ35 いちから学ぶ仕事と権利 〝団結権〟は人類の叡智 誇りをもち仲間をふやそう

労働組合

▲『学習テキストここから始める組合活動・自治労連運動』を改訂しました。ぜひ活用ください。

労働組合は、長時間労働や低賃金から人間らしい働き方を勝ち取るために誕生した、憲法にも保障された基本的な権利(団結権など)を行使するための組織です。世界と日本の労働組合誕生の歴史を学びます。

長時間・低賃金労働に労働者が団結し対抗

18世紀後半、今から200年以上前に、世界で一番早く資本主義が発達したイギリスで労働組合は誕生しました。

産業革命により資本家に雇われてしか生きられない労働者が急増し、長時間労働、児童酷使、低賃金、解雇が当たり前で何の規制もありませんでした。

労働者一人ひとりは「個人的抵抗」をしますが失敗を繰り返します。団結の必要性を学び、長時間労働や低賃金を改善させるために団結して交渉し、ストライキで資本家とたたかいながら労働条件改善を引き出していきます。

この団結を一時的なものから恒常的にする「労働組合」が誕生し世界中に広がっていきます。

イギリス政府は団結禁止法(1799年)で労働組合を弾圧しますが、人権思想が高まり1824年に団結禁止法は撤廃、1906年に労働基本権が確立されます。

日本の労働組合の誕生

日本では1870年ごろから各地で炭鉱労働者の争議がはじまり、1886年には山梨県甲府の製糸工業での女工たちによるストライキが起こります。そして1897年に日本最初の労働組合「鉄工組合」が結成され、以降「日本鉄道矯正会」「活版組合」なども結成されます。

日本も国家権力により労働組合は違法化され、弾圧されますが、第1次世界大戦後のILO(国際労働機関)結成は日本の労働運動にも大きな影響を与え、1920年に日本最初の全国中央組織「日本労働総同盟」が結成されます。

戦前・戦中の弾圧を乗り越え、戦後、労働組合は日本国憲法でも保障される基本的権利となりました。

不当な権利制限が残る地方公務員の労働組合

現業などを除く地方公務員の場合、労働基本権である団結権・団体交渉権・争議権(ストライキ)は、地公法の「改正」によって、争議行為の禁止や、「職員団体」には労働協約締結権が否定されるなど、重大な制約が加えられています。

自治労連は、数度にわたってILOへの働きかけを行いながら、不当な権利制限をなくし、労働基本権を回復するよう政府に求めています。

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