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シリーズ30 いちから学ぶ仕事と権利 ハラスメントのない職場 組合活動で実現を

ハラスメント防止

職場のパワー・ハラスメント(以下、パワハラ)防止が職場の共通課題となっています。被害者だけでなく、業務遂行に支障をきたすパワハラは職場全体の心の健康をも害し、使用者の法的責任が問われる場合もあります。

昨年6月のILO(国際労働機関)総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント条約」が採択されました。条約では、労働者や管理職だけでなく、研修生からボランティア、求職者など対象者は幅広く、通勤中や社内メールにいたる「仕事の世界」から暴力とハラスメントを「断固として容認しない環境」の整備を求めています。日本でも「パワハラ防止法」が制定され、今年6月から施行されます。

また、人事院の「公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策検討会」は、今年1月14日に「パワー・ハラスメントが生じにくい勤務体制や職場環境を整備することも重要である。特に、業務過多や人員不足は、精神的余裕のなさやコミュニケーション不足を生み、パワー・ハラスメント発生の温床となるものである」と報告しました。

失敗から学ぶことができる職場へ

厚生労働省調査でパワハラの相談は年々増えており、パワハラが多い職場の特徴は「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」「失敗が許されない・失敗への許容度が低い職場」となっています。

健全で良好な職場は、業務の目的を共有し、能力に合わせて裁量を持たせ、コミュニケーションをしながら、悩みや失敗も共有して改善できる職場です。

ポイントは「ルールづくり」と「価値観のすり合わせ」です。職場で一番困るのは、人物や気分によって、ルールや発言内容が変わることです。ルールづくりや指導を行う場合には、「なぜ、この業務をするのか」「住民に不利益がないか」など目的をすり合わせ、「なぜ、そう決めたのか」の理由とあわせて共有しましょう。

価値観は多様であり、まずは相手が「どう感じているか」を受け止めることも重要です。職場には正規職員だけではなく、非常勤や派遣などさまざまな働き方が混在し、人生観も含め多様な人が同じ職場で働く時代です。価値観の違いを知り、認め合うことが大事です。

職場環境改善めざし組合に結集しよう

労働組合は、職場・職種・役職・世代の違いをこえ、みんなが働きやすい職場をめざす組織です。職場でパワハラが起きると、解決に多大な時間と労力がかかります。パワハラを起こさない職場をつくるためにも予算人員増と職場環境改善の要求実現にとりくみましょう。

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