特徴と問題 (7)公務員・関連労働者の解雇(分限免職・雇い止め)に歯止めなし

(7)公務員・関連労働者の解雇(分限免職・雇い止め)に歯止めなし
<これまで公務・公共サービスに従事していた労働者の雇用問題>
 公共サービスに市場化テストが適用され、民間企業等が実施することになれば、これまでその業務に従事していた国家公務員、地方公務員は、1)分限免職(国家公務員法第7条4号、地方公務員法第28条4号)されるか、2)配置転換等によって従事する業務を変更するか、3)いったん退職して公共サービスを引き継ぐ民間企業等に雇用されるか、の3通りが考えられます。
<配置転換による雇用継続は保障されるか>
 2)の配置転換による雇用の継続については、次のような規定が盛りこまれました。
第48条 国は…官民競争入札対象公共サービスの実施に従魔オていた職員を、定員の範囲内において、他の官職(他の国の行政機関に属する官職を含む。)に任用することの促進その他の競争の導入による公共サービスの改革を円滑に促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
 しかし府省(国)、独立行政法人、外郭団体等をこえて配置転換することは可能なのか、「行政改革」のもとで国・地方とも職員削減が進むもとで受け入れ可能な事務所・事業所は存在するのか、専門職等の場合、その専門性にふさわしい業務を他の部局等に確保することは可能なのかという問題があります。しかも第48条は努力規定であり雇用の継続を保証したものではありません。
<民間企業等への移籍による雇用継続は保証されるか>
 3)の民間企業等への移籍による雇用の継続について、市場化テスト法案では、国の行政機関等の長等が定める「実施要領」、自治体の長が定める「実施要領」に「官民競争入札対象公共サービスに係る業務に従事する者となることを希望する者に関する事項」を盛り込むこと(第9条2項9号、第16条9項)が規定され、国家公務員退職手当法に特例が設けられました(第31条)。「退職手当法の特例」とは、退職時(移籍時)にいったん勧奨退職による退職手当を受け取り、民間企業等に雇用される間を除き、公務に復帰後の期間を通算した退職手当から受け取り済みの退職手当の金額を差し引いた退職手当を最終的に受け取るというものです。しかしこの制度の目的は、公務員の雇用の保障ではありません。「落札業者が、事業の円滑な実施・創意工夫の観点から、従前公共サービスの実施に従事していた公務員の受け入れを希望する場合も考えられる」(内閣府・市場化テスト推進室作成資料)ことから、民間企業等のために設けた制度です。したがって希望すれば民間企業等に移籍することが保証されているわけでも、民間企業等へ移籍後の労働条件が従前どおりの水準を守られることを保証されているわけでも、民間企業等から不利益なく公務に復帰できることを保証されているわけでもないのです。ましていったん民営化されると、次回以降、民間企業等の従業員の雇用が守られる保証はまったくありません。
<解雇(分限免職、雇い止め)が続出するおそれ>
 村上担当大臣(当時)は、市場化テストの実施にともなって分限免職をおこなう意思について、参議院予算委員会(昨年10月4日)において、若林議員(自民党)の質問に答え、次のように答弁しています。
若林議員 配置転換だけじゃなくて、場合によっては…分限免職の活用…仕事がなくなったらそこで働いている人も辞めてもらわなきゃいけないというようなことにも踏み込んで
村上担当大臣 リー即ツモでそこまで行ければ一番いいと思うんですが、なかなか現実というのは、やはり激変緩和措置をとりつつ丁寧な説明をしていくことが私は肝要だと思います。その点につきましては、若林委員がいわれるような方向に行くように一生懸命努力したい…。
 分限免職の適用では、指定定管理者制度において、北海道・新十津川町が公立保育所の保育士を地方公務員法第28条4号に基づいて分限免職(整理解雇)する方針を示し、自治体病院(公立病院)でも分限免職問題が各地で発生しています。正規職員であっても自治体職員の解雇問題が現実のものとなっています。
 ましてや嘱託職員や非常勤職員、臨時職員などの非正規労働者は「雇い止め」によっていとも簡単に解雇され、外郭団体等に雇用される正規職員も公務員法上の保護規定は適用されず、雇用の保障が何らなされていません。

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