公務の給与において、考慮することとされている「生計費」は、労働者が健康に働き続け、その家族も含めた生活を維持するために必要な費用です。
しかし、人事院や地方人事院の勧告する給与は、「生計費」を十分に加味しているとはいえません。
こうしたもとで、自治労連は、自治体・自治体関連職場で働く労働者の「生計費原則」に基づく「あるべき賃金水準」を明らかにし、今後の賃金闘争における賃上げ要求に向けた確信を生み出すべく、初の全国いっせい実施の生計費調査となる「すべての世代が笑顔で暮らせる賃金水準をつくろう!
全国いっせい生計費調査運動」(以下、「生計費調査運動」という。)に取り組み、全国のあらゆる世代の自治体・自治体関連職場で働く労働者から6,769 部の回答を集約しました。
集約した回答をもとに、世代や職種などの分類ごとの分析を進めていきます。
●調査・分析方法の概要
「生計費原則」に基づく「あるべき賃金水準」を導き出す手法として、年齢や世帯構成などを設定したモデル世帯に、生活実態や所有する持ち物を積み上げるマーケット・バスケット方式(全物量積み上げ方式)を採用しています。
生活実態や所有する持ち物は、調査票の配布によって職場から回答を求める①生活実態調査と②持ち物財調査によって定め、所有する持ち物の価格はインターネットを活用した③価格調査によって定めています。
実態から乖離させずにあるべき普通の生活にかかる費用を導き出すため、①所有率7割を超える持ち物を原則「必需品」として所有させること、②持ち物の消費量を原則「下から3割」とすること、③市民・労働者の意見を採り入れる機会を設けることを分析のルールとしています。

>>調査票(PDF)
※調査票中「調査から試算へのプロセスと結果の活用」のスケジュールは変更となっています。
●20 代・単身世帯の分析結果
20 代・単身世帯の生計費について、集約した回答を都市部と地方部に分けて分析し、生計費の試算を行いました。
人事院が毎年公表する「標準生計費」で、1人世帯の世帯主年齢とされている22 歳をモデル世帯としています。
分析結果からは、都市部・地方部、男性・女性の別に関わらず、人間らしく生活するためには、おおよそ月額29 万円以上が必要であることが明らかとなりました。これと比較して、「標準生計費」(1人世帯)はあまりにも低い水準となっています。
また、生計費に地域間格差がほとんどないことも証明されました。


生計費と標準生計費との比較

>>全国いっせい生計費調査結果報告書(1)―若年単身世帯(22 歳男性および22 歳女性)―(PDF)