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最低賃金の地域区分4ランクから3ランクへ 地域間格差を解消し全ての労働者の賃上げをめざそう(談話)

2023年4月10日
書記長 石川 敏明

 4月6日、厚生労働省中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会は、1978年以来続いてきた現在の4ランクから3ランクへ初めて変更すること等について、中央最低賃金審議会に対して報告を行った。

 ランク数を減らしたことは、地域別最低賃金の地域間格差が拡大するなかで、自治労連をはじめ全国一律最低賃金制度を求める全国的な運動による成果である。しかし、ランク制度の維持が妥当とされ、最低賃金のあるべき水準について最低賃金法第9条第2項の3要素(①労働者の生計費、②賃金、③通常の事業の賃金支払能力)にこだわったことには怒りを禁じ得ない。全国一律を求める声には背を向け、生計費が物価高騰の現状に見あっていないことを放置し、最低賃金法の目的である「労働者の生活の安定」と相容れない「企業の支払い能力」を存置したことからは、地域間格差の解消や本気で労働者の生活の安定を図ろうとする姿勢は全く見えない。

 この間、地域間格差は拡大し、現在では最も高い東京(1,072円)と最も低い10県(853円)とで219円もの格差が生じている。これにより、最低賃金の高い地域へと労働力が流出し、地域経済の衰退に拍車をかけている。最低賃金法の目的である「労働者の生活の安定、労働力の質的向上、国民経済の健全な発展」のためにも、速やかに全国一律制を実現し、全国どこでも時間給1,500円以上とするべきである。

 地方自治体も事情は変わらない。高卒初任給や会計年度任用職員の賃金は、多くの自治体で地域別最低賃金を下回る事態となっているが、一般職の地方公務員には最低賃金法が適用されないことから、これが放置されている。私たちの指摘と是正を求める運動により、昨年12月23日には会計年度任用職員の給与水準の決定について、「地域の実情等を踏まえ、適切に決定する必要があること。その際、地域の実情等には、最低賃金が含まれることに留意すること。」との総務省通知を引き出した。これにより是正が図られている自治体も少なくないが、抜本的な賃金水準の改善にはほど遠いものである。総務省通知の主旨をすべての自治体に徹底させることが急務である。

 地域別最低賃金の低い地域は、すなわち「地域手当」の低い地域あるいは支給されない地域である。こうした地域の自治体では人材確保も困難であり、住民のいのちを守りくらしを支える公務公共体制の確保にも支障をきたしている。地方自治の危機とも言える状況であり、これが職員の異常な長時間労働の要因にもなっている。2024年に予定されている地域手当見直しを見据え、地域手当の格差をなくし大幅賃上げをめざす取り組みをすすめよう。

 自治労連は、地域間格差是正や最低賃金の大幅引き上げなど、社会的な賃金闘争のさらなる前進のために奮闘するものである。

以 上