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安保関連3文書の閣議決定撤回を求める(談話)

2022年12月19日
書記長 石川 敏明

 岸田政権は12月16日、「安保関連3文書」(「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」)の改定を閣議決定した。「敵基地攻撃能力」を保有することで「専守防衛」をかなぐり捨て、戦後日本の安全保障政策を大転換するものであり、憲法9条を形骸化し、くらしも平和も破壊する大軍拡・大増税を推し進めるものである。

 日本は、アメリカの戦略に追従して戦争への道を突き進む国になるのか、それとも憲法9条を活かした平和外交で平和な東アジアを実現していく国になるのか、の分岐点に立っている。

 岸田政権が、「安保3文書」改定で行おうとしているのは、第一に、「敵基地攻撃能力の保有」であり、その中心は中国や北朝鮮に届く「長射程のミサイル」の配備である。周辺諸国に矛先を向ける長距離ミサイルを全国に配備し、日本列島を軍事要塞化するもので、ひとたび軍事衝突に至れば、「長射程ミサイル」の配備先は真っ先に攻撃の対象となる。「安保法制」は、日本が攻撃を受けていない下でもアメリカの戦争に参戦し、「集団的自衛権」の行使を可能にした。「敵基地攻撃能力の保有」は、それを実践面で強化するものである。「他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない」などとしてきた歴代政府の見解も覆す、明確な憲法違反であり、「憲法9条」を形骸化するものである。

 第二に、軍事費をアメリカの要求で対GDP比2%以上に引き上げ、さまざまな分野で軍事化を推し進めるものである。今後5年間の軍事費の総額を43兆円へと大幅に増やすとしており、防衛省予算の増額だけでなく、他省庁の研究開発予算や公共事業予算まで本格的に軍事に組み込む仕組みを検討している。軍事目的ではない民間の空港や港湾を「特定重要拠点空港・港湾」と位置づけて、特別の予算枠を設けて軍事利用のための整備・運用を推し進めようとしている。さらに海外への武器輸出の拡大も検討している。

 第三に、大軍拡を推し進めるための大増税である。岸田首相は2027年度に防衛費と他省庁の予算で、現在のGDPの2%に達するよう指示した。必要となる4兆円の追加財源のうち、3兆円は税収の上振れや特別会計などの剰余金で確保し、1兆円強を「所得税」、「復興特別所得税」、「法人税」などの増税で賄う方針となっている。物価高騰で苦しむ国民に軍拡のための大増税を押し付ける、許しがたいものである。

 私たち自治体職員は、すでに「土地利用規制法」で住民監視の役割を担わされている。各地の空港や港湾の軍事利用が可能となれば、管理する自治体と自治体職員は、岸田政権がすすめる戦争する国づくりの役割をさらに担わされることとなる。

 自治労連は、このような重大事が選挙で国民の信を問うことも、国会で審議されることもなく閣議決定のみで決められたことに怒りを込めて抗議し、ただちに閣議決定の撤回を求めるものである。「安保関連3文書」の改定による「戦争する国づくり」と、暮らしを破壊する大増税・社会保障の改悪を許さず、憲法をいかし、住民のいのちとくらしをまもりきる政治への転換をめざし、広範な国民・諸団体と共同して23国民春闘と統一地方選挙のたたかいをすすめるものである。

以 上