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一般職の国家公務員給与法等改正法の成立に抗議する(談話)            ~現場の奮闘に応える大幅賃上げと、                 いのちを守る運動の取り組みを強めよう~

2022年4月8日
書記長 石川 敏明

 4月6日、第208回通常国会で審議されていた「国家公務員の一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律」が、参議院本会議で賛成多数によって可決・成立した。

 その内容は、2022年6月期の期末手当から一時金を0.15月引き下げるとともに、昨年11月中に法改正していたならば2021年12月の期末手当から減額されていた相当額を本年6月の期末手当から差し引くものである。つまり国家公務員の一般職は、今年6月の期末手当は0.225月分(平均で約9万3000円)を減額されることになる。

 新型コロナや相次ぐ災害への対応に、「過労死ライン」を超える長時間労働を強いられてきた公務労働者の奮闘に全く応えないものであり、断じて容認できない。

 また、この減額調整は実質上の不利益遡及であり許されるものではない。あわせて、勤務実態の継続(一時金の期間率)と退職後の“新たな”任用とを混同した理屈に基づき、この3月末に定年退職をして4月から再任用職員となった職員からも減額調整をするとした。定年退職前の期間分に及ぶ不利益遡及などあってはならないことで断じて容認できない。今回の国家公務員給与法改定は二重三重にも道理のないものであり、あらためて怒りを持って抗議する。

 国家公務員給与法改定がここまで遅れたのは、総選挙や国会日程を自公政権の都合で設定したことがそもそもの原因であり、労働基本権制約の代償措置としての人勧制度が機能していないことをあらわにした。

 また、これにより、地方自治体も混乱させられた。昨年11月議会で条例改定され12月の一時金から削減されることとなった自治体、昨年11月中の条例改定が見送られ、国と同様に本年6月からの減額調整とした自治体、さらに、国の法案が成立していないことを理由に年度末にも条例改定を行わなかった自治体もある。こうした混乱のなかでも私たちは、22春闘の重要課題として現場の要求を力に粘り強い交渉をおこない、単組ごとの前進を勝ち取る到達を築いている。

 格差と貧困の解消、もうけ優先・効率優先の新自由主義政策からの転換を求めてきた私たちの運動が、政府をしてケア労働者の賃上げなど、経済対策としての「賃上げ」に言及せざるを得ないところまで追い詰めてきた。

 一方、ロシア政府によるウクライナ侵略により、原油高や小麦高騰などに拍車がかかり、家計への負担は一層深刻になっている。コロナで疲弊した地域経済や国民生活を立て直すためにも、公務員の賃下げではなく、すべての労働者の賃上げで実質賃金の底上げこそ図るべきである。

 22国民春闘から22人勧に向けたたたかいは始まっている。すべての労働者の賃金・労働条件の大幅改善、長時間労働の解消、公務・公共サービスの拡充と、国民的諸要求前進めざし全力で奮闘する決意である。

以 上