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改定特措法成立にあたって-何よりも住民の健康と生活を支援する施策を優先すべき!今こそ憲法をいかし、誰もが安心できる地方自治の拡充を(談話)

2020年3月17日
書記長 前田博史

 自治労連は、3月3日に新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策の抜本的強化を求める書記長談話を発表した。しかし、政府は抜本的な財政出動要請には応えず、2020年度予算の予備費の枠内でしか対策を具体化していない。

 いま、労働者・国民は、先の見えない新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、不安に脅かされている。とりわけ、非正規労働者やフリーランスをはじめとした低賃金・不安定雇用を強いられている人々の中では、日々の暮らしさえも脅かされる事態になっている。

 自治体では、小学校の休校要請に伴い、学童保育の現場では長時間労働を余儀なくされ、保育の現場では少人数対応を強いられるだけでなく、誰かが感染しないかと不安を抱えながら頑張っている。保健所をはじめ公衆衛生に関わる現場では、夜間や休日労働を余儀なくされている。医療の現場では、看護師などの確保に懸命の努力がなされている。長期化すれば、ただでさえ人員不足で、長時間労働が慢性化しているもとで、限界を超えかねない。

 政府は、何よりも住民の健康と生活支援、それを支える公務公共職場への支援こそを優先して行うべきである。

 安倍首相は、「緊急事態宣言を出すような状況ではない」と述べながら、国民の健康と生活支援を優先するのではなく、「特措法」改定法を衆議院3時間、参議院4時間の審議だけで強行した。「緊急事態宣言」の根拠はあいまいで、基本的人権の制約に対する歯止めも、それに対する代償措置もあいまいである。また、地方自治体には、一方的に「宣言」の実行行為が押し付けられることになる。憲法を踏みにじるだけでなく、地方自治を侵害するものである。仮に「宣言」が出されれば、住民と対応するのは自治体職員・公務公共関係労働者であるが、根拠や代償措置があいまいなままで、説明責任を果たすこともできない。関係労働者が住民との板挟みになり混乱が生じる。

 そもそも、ウソ、隠ぺい、改ざんを繰り返し、答弁を二転三転させる首相・大臣を信用することなどできない。憲法と地方自治を蹂躙し、基本的人権を制限する権力を、まったく信用ならない政府に与えるなど、危険極まりない。

 自治労連は、「特措法」改定法強行に断固抗議する。同時に、政府が憲法と地方自治をいかし、住民の命・健康と生活優先の施策をすすめることをあらためて求める。そして、それにふさわしい人員体制の確立、労働条件と職場環境の抜本的な改善を求め奮闘するものである。

以上

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