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辺野古埋め立て・新基地建設をめぐる福岡高裁那覇支部の地方自治を踏みにじる不当判決に断固抗議する(談話)

辺野古埋め立て・新基地建設をめぐる福岡高裁那覇支部の地方自治を踏みにじる不当判決に断固抗議する(談話)

2016年9月21日

書記長 中川 悟 

 福岡高裁那覇支部は、16日、「辺野古埋立・米軍新基地建設」にかかわる、国の「違法確認訴訟」において、国の主張を全面的に認める不当な判決を出した。

自治労連は、憲法と地方自治を否定する高裁判決に満身の怒りを持って抗議する。

 この裁判は、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をめぐり、前知事による辺野古埋立承認を翁長知事が第三者機関の慎重な検証を踏まえ「手続きに瑕疵があった」として承認を取り消したことに対して、国が承認取り消しの撤回を求め、国の是正指示に従わないのは違法だとして、国が県を訴えていたものである。

しかし裁判では埋め立て承認手続きの実質審査を行わず、判決は、「国防・外交上の事項は国の本来任務に属し、国の判断に不合理な点がない限り尊重されるべき」「普天間飛行場の危険性を除去するためには辺野古埋立しかない」「沖縄の民意を考慮しても、公有水面埋立法の要件を欠くと認めるには至らない」とした。これらの判断は国の主張そのものであり、司法の独立性、三権分立をかなぐり捨てたものと言わざるを得ない。

とりわけ、国防や外交にかかわる事項であっても、それが地域住民の生活にかかわる限り自治体の判断は尊重されなければならず、国の関与は最小限度でなければならない。それが国と地方自治体が対等・協力の関係であることを定めた改正地方自治法の趣旨であり、国防にかかわっては自治体は国の言い分に従えとの今回の判決は地方自治を真っ向から踏みにじるものである。

しかも、同裁判所は1月には「現在は沖縄対日本政府という対立の構図となっている」「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである」と和解勧告を行い、国地方係争処理員会も「国と県の真摯な話し合い」を求めてきたのである。ところが「真摯な話し合い」を拒否し、米国と交渉するどころか、「辺野古ありき」の結論を沖縄に押し付ける国を、判決は擁護した。自らの和解勧告を自己否定してまで国を擁護する司法の存在意義さえ問われる事態といえる。

 そもそも、沖縄県民は、14年1月の名護市長選挙以降、県知事選挙、衆議院選挙、県議会選挙そして、今年7月の参議院選挙と、繰り返し、普天間基地の即時撤去、辺野古新基地建設反対の意思を明らかにしてきた。銃剣とブルドーザーで県民の土地を強制的に取り上げ、国土の0.6%の沖縄本島に、米軍基地の74%を押しつけてきた歴代の自民党政権や現在の安倍政権は、沖縄県民の負担軽減を言いながら、県民に国の考えを押しつける施策を行い、さらなる負担を押しつけてきた。今また、辺野古新基地建設だけでなく、東村の高江ヘリパッド(オスプレイの滑走路)の建設に反対する住民のたたかいを、全国から派遣された警察の機動隊によって暴力的・強制的に排除している。

 4月に起きた女性暴行殺人事件やこれまで繰り返されてきた米兵や軍属による蛮行は、「米軍は沖縄県民を守らない」ことを白日の下にさらしている。辺野古新基地建設や高江のヘリパッド建設は、県民のいのちと安全を守るどころか、いのちと安全を脅かす存在にしかなり得ない。

 自治労連は、沖縄県民の思いを受け止め、その先頭に立つ翁長知事による最高裁への上告を支持する。年度内にも最高裁の判断が示されるとみられるが、沖縄県民に連帯し、裁判勝利と普天間基地即時撤去、辺野古新基地建設反対、高江の米軍ヘリパッド建設ストップにむけて全国で運動をさらに強化していくものである。

以上

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