公務員の服務と労働環境を歪める 予備自衛官等兼業特例法案に断固反対する(談話)
公務員の服務と労働環境を歪める
予備自衛官等兼業特例法案に断固反対する(談話)
2026年4月13日
日本自治体労働組合総連合
書記長 橋口 剛典
4月3日、政府は国家・地方公務員等を予備自衛官等として招集しやすくするため、手続きを大幅に緩和する「予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律案(略称:予備自衛官等兼業特例法案)」(以下、本法案)を国会に提出した。予備自衛官等には、普段は社会人として働きながら、ⅰ)元自衛官等が年30日程度訓練し、有事などでただちに第一線部隊等の一員として現職自衛官とともに活動する即応予備自衛官、ⅱ)一般国民が予備自衛官補を経て、あるいは元自衛官が、年5日程度訓練し、有事や大規模災害で招集され、後方支援や警備などをおこなう予備自衛官、ⅲ)元自衛官以外の一般国民を志願・選考により任用し、教育訓練をおこなう予備自衛官補―の3種類がある。防衛省によれば、予備自衛官等の充足率は予備自衛官が約7割、即応予備自衛官が約5割にとどまっており、本法案は、充足率不足を解消したいという国の防衛政策に基づく防衛省の組織的都合によるものである。
本法案の問題点の一つに、これまで厳格に運用されてきた公務員法上の制約を兼業の特例という形で、緩和することがある。予備自衛官等になる際に兼業許可を得れば、それ以降は許可が不要になり、繁忙期や災害対応時の業務に支障がある場合であっても、任命権者が職員の離脱を制限することができなくなる可能性がある。
業務に支障があっても予備自衛官等の業務を優先させることは、人員不足が常態化している現場においては、残された職員の業務量をさらに増加させることにつながる。この間、自治体では、限界まで人員が削減され、職場に余裕がなくなり、公共を支える体制が脆弱になっている。戦争の準備に力を注ぐのではなく、住民のいのちとくらしを守るために、平時からの抜本的な人員体制の拡充こそが優先されるべきである。
また、予備自衛官等の継続的かつ安定的な確保という法案の目的に鑑みると、自治体職員に対して予備自衛官補に「志願」することを推奨する組織的圧力になる懸念がある。任命権者や上司による「推奨」は、職務上の上下関係が存在する以上、部下にとっては事実上の「職務命令」に近い強制力を持つ恐れがある。予備自衛官等への登録の有無が人事評価に悪用される懸念もある。上司の意に従順な公務員づくりは「全体の奉仕者」としての公務を変質させる危険性が極めて高い。
自治労連は、国の防衛政策に基づく防衛省の組織的都合によって、公務員の服務と労働環境を歪める本法案に断固反対する。