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地方自治を蹂躙する辺野古新基地 「代執行」を認める判決に抗議する(書記長談話)

地方自治を蹂躙する辺野古新基地

「代執行」を認める判決に抗議する(書記長談話)

2023年12月21日

日本自治体労働組合総連合

書記長 橋口 剛典

 

  アメリカ軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古(同名護市)への移転計画をめぐり、辺野古沖の軟弱地盤を固める工事を玉城デニー沖縄県知事が承認できないとしたことから、沖縄県知事に代わって政府が承認する「代執行」の手続きを進めようと斉藤鉄夫国土交通大臣が起こした裁判で、福岡高裁那覇支部は12月20日、国の訴えを認め県に12月25日までに設計変更の申請を承認するよう命じる不当判決を出した。

 2000年の地方分権改革で国と地方は対等な関係とされ、代執行手続きは国と地方の対等関係を前提に「著しい公益侵害が明らか」などの要件が厳格化されている。今回の判決は、国側が主張した「普天間飛行場の危険性除去」のみを「公益」に挙げ、県の権限を国が奪うことを認め、新基地建設に反対する県民の民意こそが「公益」であり、対話による解決を求めた沖縄県の訴えを一方的に退けた。

 新基地建設について3度の県知事選挙や総投票数の7割超が反対に投じた県民投票などで明確に示された民意に、高裁は一切耳を傾けていない。沖縄県民の民意を踏みつけただけでなく、憲法が定める地方自治の本旨、民主主義、国民主権の理念を踏みにじるものであり、断じて許すことはできない。

 この問題は、沖縄だけにとどまらない。日本政府が全国どこでも海を埋め立て、軍事基地などを造ろうとするとき、住民の利益を尊重する都道府県知事が権限を行使し、阻止しようとしても無効とされてしまいかねない重大な問題といえる。

 さらにこの判決は、沖縄防衛局の設計変更申請を玉城沖縄県知事が不承認としたことを、国土交通大臣が取り消し、知事に承認を求める「勧告」や「是正の指示」を適法とした最高裁判決に従っただけであり、玉城知事の判断の是非については一切検討されていない。これは、政府の政策を盲目的に追認し、国家権力を抑制すべき「法の支配」を歪め、司法の本来の役割を放棄するものと言わざるを得ない。

 今回の判決により、辺野古新基地の建設に関するたたかいは新たな局面を迎えた。

 辺野古新基地の建設は、予定地に広がる水深90mの軟弱地盤を改良する技術はなく、大量の埋め立て土砂や作業船確保の見通しも立っていない。完成後の崩落の危険、巨大な環境破壊が指摘されており、さらに、政府が主張する「普天間基地の危険性除去」との関連も疑問視されている。費用面でも2兆円超と当初の見積もりを大幅に上回っており、このような基地建設は、絶対に受け入れられない。国は民意を尊重し、計画をただちに中止すべきである。

 自治労連は、沖縄の民意と地方自治体の権利を侵害するこの判決に強く抗議するとともに、沖縄の民意を尊重し、辺野古新基地反対の姿勢を貫く玉城沖縄県知事を支持し、全国的な運動をさらに強化する決意である。

以上

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