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総務省がワクチン接種に関わる地方公務員の服務の取扱い等について通知を発出~各地で改善進む

 自治労連は、5月12日、本格化するワクチンの一般接種を前に、①業務にそくした服務の明確化、②ワクチン接種体制の拡充、③異常な長時間労働の是正など、緊急に対応が求められる項目について、総務省に「新型コロナウイルス感染拡大のもとでの対応に関する緊急要請書」を提出しました。同時に、接種に関わる「服務の取扱い」を早急に自治体に示すよう強く促しました。
 総務省は、同日中に、ワクチン接種に関わる服務の取扱い等について、下記の内容で地方自治体に通知を発出しました。これまで、「現場の声」をあげてきた成果です。

(以下、5/28更新)

 5月27日、総務省は「地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について」を発出しました。

 通知の内容は、国で検討中としていた「医療従事者等以外の地方公務員のワクチン接種に係る『服務の取扱い』」に関する内容で、職場・労働組合からの強い働きかけに応え、医療従事者等に該当しないすべての職員の服務の取扱いを「職務専念義務の免除」とできる内容となっています。

 

◎総務省通知の発出を受け、各地で労働組合の要求に対し、各自治体での対応が広がっています。
 千葉県の状況を紹介します。(6/16更新)

自治労連千葉県本部集計分(2021年6月5日現在)

市町村

接種時の取り扱い

副反応時の取り扱い

一般職

会計年度任用職員

一般職

会計年度任用職員

県職労

職務免除

職務免除

職務免除or

特別休暇(有給)選択

職務免除or

特別休暇(有給)選択

市原市職労

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

勝浦市職

検討中

検討中

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

野田市職労

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

習志野市職労

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

船橋市職労

職務免除(年次休暇との併用可)

職務免除(年次休暇との併用可)

職務免除

職務免除

君津市職

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

職務免除

館山市職

職務免除

職務免除

職務免除

職務免除

浦安市職

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

大網白里市職

職務免除

職務免除

特別休暇(有給)

特別休暇(有給)

(その他)

①君津市職:家族の付き添い特別休暇 ※会計年度任用職員は職務専念義務免除

②大網白里市職:時間外のワクチン接種業務に特殊勤務手当1000円/時間(事務職員)を新設

 

 

     ≪総務省通知の内容は以下のとおりです≫

1,ワクチン接種に関わる「服務の取扱い」の概要(下表:自治労連作成)

           医療従事者等に該当する者(注)       左表に該当しない者

服務の取扱い

『職務』に関する取扱いで差し支えない

(5月12日:総務省事務連絡)

 

常勤職員・非常勤職員を問わず、接種等に要する時間について「職務専念義務の免除」とできる(5月27日:総務省通知)

副反応(健康被害)

が生じた場合の

取扱い

基本的には、右表と同様の取扱い。

ただし、重い副反応が生じた場合には公務災害補償の対象となります。

参考)公務遂行性を認め、公務災害補償制度における取り扱いとする(4月22日:地方公務員災害補償基金事務連絡)

 

新型コロナワクチン接種に伴う副反応かどうかにかかわらず、職員に発熱等の風邪症状が見られる場合で、「勤務しないことがやむを得ない」と認められる場合には、一般職の国家公務員の取扱いを踏まえて、各地方公共団体においても常勤職員・非常勤職員を問わず、有給の特別休暇とする(5月12日:総務省通知)→この特別休暇とする取扱いに加え、常勤職員・非常勤職員を問わず、公務の運営に支障のない範囲内で「職務専念義務を免除」することについても、適切に対応いただきたい(5月27日:総務省通知)

職員への周知

 

 

今般の取扱いについては、適切な方法により、職員に広く周知いただきたい

(5月12日:総務省通知)

(注)医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症疑い患者を含む)に直接医療を提供する施設の医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者の搬送に携わる救急隊員等及び患者と接する業務を行う保健所職員等を含む))

 

2.総務省の事務連絡・通知 (下線は自治労連がつけたものです)

<総務省「地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について」(5月27日)>

総務省自治行政局公務員部 公務員課長(通知)

令和3年5月27日

地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について

 地方公務員の新型コロナワクチン接種に関する取扱いについては、これまで「医療従事者等に該当する地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について」(令和3年5月12 日付事務連絡)及び「新型コロナワクチン接種に伴う副反応が生じた場合の休暇の取扱いについて」(令和3年5月12 日付総行公第42 号)により、医療従事者等の新型コロナワクチン接種及び副反応が生じた場合の休暇の取扱いについてお示ししてきたところです。

 今般、国家公務員の新型コロナワクチン接種に関する取扱いについて、本日、人事院から別添のとおり人事院指令14―2(新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を受ける場合等における職員の職務に専念する義務の免除に関する臨時措置について)が発せられたことを踏まえ、下記のとおり地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方を整理してお示しします。各地方公共団体におかれましては、適切に対応いただきますようお願いいたします。
  (以下、略)

1 医療従事者等に該当する地方公務員の新型コロナワクチン接種について

 「医療従事者等に該当する地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について」(令和3年5月12 日付事務連絡)でお示ししているとおり、医療従事者等がワクチン接種を希望する場合においては、その業務遂行のために必要な行為として、職務に関するものであると整理して差し支えありません。このため、特段、年次有給休暇の取得や職務専念義務の免除等の手続が必要となるものではありません。

2 医療従事者等以外の地方公務員の新型コロナワクチン接種について

 本日、人事院から発出された人事院指令を踏まえ、医療従事者等以外の地方公務員の新型コロナワクチン接種に関し、接種しやすい環境の整備を図る観点から、常勤職員・非常勤職員を問わず、接種等に要する時間について、公務の運営に支障のない範囲内で職務専念義務を免除することについて、適切に対応いただきますようお願いいたします。

3 新型コロナワクチン接種に伴う副反応が発生した場合について

 「新型コロナワクチン接種に伴う副反応が生じた場合の休暇の取扱いについて」(令和3年5月12 日付総行公第42 号)でお示ししているとおり、職員に発熱等の風邪症状が見られる場合で、「勤務しないことがやむを得ない」と認められる場合には、一般職の国家公務員の取扱いを踏まえて、常勤職員・非常勤職員を問わず、有給の特別休暇とすることができる旨をお示ししているところです。
 この特別休暇とする取扱いに加え、本日、人事院から発出された人事院指令を踏まえ、地方公務員に新型コロナワクチン接種に伴う副反応が発生した場合に関し、常勤職員・非常勤職員を問わず、公務の運営に支障のない範囲内で職務専念義務を免除することについても、適切に対応いただきますようお願いいたします。

 

総務省自治行政局公務員部公務員課 (事務連絡)

令和3年5月12日

医療従事者等に該当する地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について

  医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症疑い患者を含む。以下同じ。)に直接医療を提供する施設の医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者の搬送に携わる救急隊員等及び患者と接する業務を行う保健所職員等を含む。)以下同じ。)に該当する地方公務員についての新型コロナワクチン接種に係る考え方について、下記のとおりQ&Aを周知しますので、各地方公共団体におかれましては適切に対応いただきますようお願いいたします。

Q: 医療従事者等に該当する地方公務員が新型コロナワクチンを接種する場合に、年次有給休暇の取得や職務専念義務の免除等の手続が必要となるか。

A: 新型コロナワクチンの接種順位の上位に位置づけられている医療従事者等については、その業務の特性として、新型コロナウイルスへのばく露の機会が極めて多く、当該医療従事者等の発症及びリスクの軽減は、医療提供体制等の確保のために必要とされています。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は、医療従事者等の自由意志に基づくものであり、接種について職務命令を発することはできませんが、当該医療従事者等がワクチン接種を希望する場合においては、その業務遂行のために必要な行為として、職務に関するものであると整理して差し支えありません。このため、特段、年次有給休暇の取得や職務 専念義務の免除等の手続が必要となるものではありません。 なお、高齢者等が入所・居住する社会福祉施設等(介護保険施設、居住系介護サービス、高齢者が入所・居住する障害者施設・救護施設等)において、利用者に直接接する職員に該当する地方公務員についても同様の取扱いとしてください。

 

総務省自治行政局公務員部 公務員課長(通知)

令和3年5月12日

新型コロナワクチン接種に伴う副反応が生じた場合の休暇の取扱いについて

 新型コロナワクチン接種に伴う副反応が生じた場合の休暇の取扱いについては、各地方公共団体におかれましては、下記の事項を踏まえ、適切に対応いただきますようお願いいたします。 また、各都道府県におかれましては、貴都道府県内の市区町村等に対しても速やかにこの旨周知いただきますようお願いいたします。なお、地域の元気創造プラットフォームにおける調査・照会システムを通じて、各市区町村に対しても、本通知についての情報提供を行っていることを申し添えます。本通知は、地方公務員法第 59 条(技術的助言)及び地方自治法第245 条の4(技術的助言)に基づくものです。

・ 新型コロナワクチン接種に伴う副反応かどうかにかかわらず、職員に発熱等の風邪症状が見られる場合で、「勤務しないことがやむを得ない」と認められる場合には、一般職の国家公務員の取扱いを踏まえて、各地方公共団体においても常勤職員・非常勤職員を問わず、有給の特別休暇とするとともに、職員の休暇の取得についても格段のご配慮をいただきたいこと。

・  今般の取扱いについては、庁内イントラネットへの掲示、職員あての通知やメー ルによるお知らせ、状況に応じた庁内会議での周知などの適切な方法により、職員に広く周知いただきたいこと。

 

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