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コロナウイルス感染防止対策について総務省へ緊急要請

 8月7日、総務省に対し、全国各地で自治体職員への感染が拡大する中、感染防止対策にかかる緊急要請書の提出を行いました。自治労連からは長坂副委員長・西中執・檜山書記が参加し、総務省公務員課からは池田課長補佐ら3名が対応しました。

 冒頭に長坂副委員長が「昨年末からコロナウイルスが出始め、半年以上経ったが収束するどころか拡大している。職場はより一層大変になっている。住民のいのちとくらしを支えるためには安心して働ける環境づくりが必要だ」と訴え、要請の趣旨を説明しました。

 この間、保健所職員の月200時間を超える長時間労働の問題や、自治体職員の感染も拡大しており、保育園や病院などの職場では緊張度が増していることを指摘しました。特に、労働災害と比較すると、公務災害の請求・認定件数が自治体職員の感染状況と比較しても極端に低くなっていることに触れ、「この間、長時間過重労働の是正に向け、各自治体で臨時職員の任用や他部署からの支援なども行われているが、人員確保・体制確保は短期的ではなく、長期的にみていかないといけない」と指摘しました。これに対し総務省は「必要な部署・部門に必要な人材を付けていただきたいというスタンスで総務省も臨んでいる。行政需要に合わせて臨機応変に対応していただきたい」と回答しました。

 被災自治体に対する応援派遣については、「支援の最中に感染拡大はあってはならない。派遣職員に対するPCR検査の徹底などをお願いしたい」と要請し、「PCR検査を行っているかは把握できていないが、公務員課応援派遣室からは、感染防止措置を派遣最中と前後に継続的に講じるよう注意喚起はしている」と回答がありました。

 共済組合保険料の算定基礎となる、標準報酬月額の新型コロナウイルスの影響については、「今回の新型コロナウイルス対応によって急遽異動し、その間だけ時間外労働が増加すると、標準報酬月額が急激に増える事態が発生してしまうのではないか。実際に心配している人からの問い合わせも来ている」と要請し、これに対しては「東日本大震災や平成28年熊本地震の時には対応が取られたが、現時点で取り扱いは決まっていない。決まり次第お伝えしたい」と回答がありました。

 要請の最後に長坂副委員長が「引き続き最前線で働いている職員と、そこに暮らす住民のため、総務省としてもこの事態の打開に向けて頑張っていただきたい」と述べ、要請を終了しました。

 

≪要請内容≫

1.過労死基準を超える状況が常態化している保健所及び地方公衆衛生研究所等における長時間過重労働が直ちに是正されるよう、厚生労働省及び地方自治体に働きかけること。

また、その体制強化に向けては、拙速な民間委託等を導入せず、現場の意見を十分に踏まえ実効性あるものとし、そのために必要な財政措置を迅速にはかること。

2.新型コロナ関連業務に係る職員の被災(感染)に関し、速やかに被災職員が公務災害補償の対象となるよう、地方公務員災害補償基金及び地方自治体(病院管理者等を含む)に働きかけること。

3.新型コロナウイルス対応により自治体の財政不足を招くことがないよう、国が責任をもって財政措置を講じること。また、自治体が財政不足を理由とする職員の労働条件の引き下げを行うことがないよう、総務省として自治体に働きかけを行うこと。

4.自治体病院における新型コロナウイルス対応等に係る急激な収入減に対し、国民の医療体制を確保する立場から、国として必要な財源の確保に万全を期すこと。また、すべての自治体病院において財政不足を理由とする職員の労働条件の引き下げを行うことがないよう、総務省として自治体に働きかけること。

5.医療及び公衆衛生関係以外の業務で、感染リスクが高いとされる業務(保育・学童保育・児童相談・窓口対応・介護・ごみ収集など)に従事する職員等に対する処遇の改善を図るとともに、総務省として安全衛生の拡充に必要な予算(安全防護具の確保及び施設の改善など)について財政措置を図ること。

6.感染防止策の実施(在宅勤務など)にあたっては、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置を念頭に妊娠中の職員に対する特段の配慮が講じられるよう、自治体等に十分な周知と働きかけを行うこと。

7.「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた業務体制の確保及び休業手当の支給に係る状況調査の結果について」(総務省6月25日通知)に係る(5月1日時点②の)都道府県別の件数など詳細を提示すること。

8.厚生労働省が実施する「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」の対象及び申請・支給方法について、速やか且つ確実な申請が可能となる手段を講じるなど、給付を担う都道府県並びに申請を行う自治体等事業者で混乱を招くことがないよう十分に周知をはかること。

9.「令和2年7月豪雨」等、被災自治体への他の自治体職員の派遣にあたっては、PCR検査を実施するなど、派遣職員の健康管理の徹底を図り、新型コロナ感染拡大を防止すること。

10.共済組合の保険料算定基礎となる標準報酬月額について、新型コロナ関連業務に係る時間外手当等の急増に伴い急激な変動が生じることがないよう、(「平成28年熊本地震」と同様の取扱いとするなど、)総務省から地方公務員共済組合連合会等に働きかけを行うこと。

11.自治体における特別定額給付金申請業務に係る混乱(マイナンバーカードの申請など)を教訓として、マイナポイント事業を中止すること。

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