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自治労連が総務省・厚労省へ要請、全国自治体病院協議会・日本看護協会と懇談

地域医療と公立病院の充実、医療労働者の労働環境改善を!

 1月27日(日)、自治労連は、全国各地のとりくみや職場・地域の課題を持ち寄り、医療関係府省、団体への要請・懇談行動にとりくみました。

 総務省は、公務員部公務員課、準公営企業室、調整課が対応。冒頭、増田副委員長が要請書を渡し、「自治体病院は住民のいのちを守る最後の砦。地域医療の充実のため、要望を受け止めて、対応していただきたい」と要請しました。

 総務省からは、○424病院再編・統合問題について、発表直後、厚労省・地方三団体(全国知事会・全国市長会・全国町村会)と一緒に協議を始めた。地方の実態をつかみながら今後も協議を続け、特に医師の偏在対策を進めていきたい。○経営形態の変更などを押し付け、切り捨てているものではなく、地域において持続可能な部分を各調整会議の中で議論してもらいたい。○毎年統計を取って財政措置をしている。地財計画で、病院の予算については減額していない。○任命権者の勤務時間管理は重要。「働き方改革」で客観的な時間管理が求められており、適正に管理するよう通知も出している、などの回答がありました。

 厚労省は、医政局、労働基準局、保険局が対応。高柳副委員長は「424病院問題について、名指しされた当該の病院の現場からも参加している。地域住民のいのちを守る自治体病院での労働実態も含めて、地域や現場の声を聞いてほしい」と要請書を手渡しました。

 厚労省からは、○424病院再編・統合問題について、地域住民に大きな不安が広がっているという意見は聞いている。地域医療構想は各都道府県が策定するもので、地域の判断が反映される。他のデータも参照しながら、将来担うべき役割について地域の実情もふまえ議論を尽くして欲しい。○勤務環境の改善については厚労省HP「いきいきと働く医療機関サポートウェル」の事例を参考にして欲しい。地域医療介護総合確保基金で、病院内保育所、人材育成の支援、看護職員の確保として看護師養成所の運営財政支援など行っている。厚労省としては多様な働き方を実現してもらいたい、などの回答がありました。

全国自治体病院協議会医療従事者の確保は病院と開設者がいっしょに考えるべき」

 全自病協は松田経営調査部長など2名が対応。増田副委員長から「自治労連は「地方のことは地方で決める」という地方自治の立場で運動している。地域医療と自治体病院の充実、医師や看護師の働き方改革、会計年度任用職員制度などで意見交換を」とあいさつしました。

 全自病協は、会計年度任用職員制度について「病院経営に確実にインパクトはあるが、制度の趣旨をふまえて準備していると聞いている」と述べました。また、地域医療構想や424病院の公表について「名目は議論の活性化だが、基本は医療費の削減(がねらい)だ。地域で病床利用率が減っていると、ダウンサイジングは必要になる」と述べました。また、医師偏在について「医師数は増えているが、地方では不足している。しかし、働きやすい環境を整えて、医師・看護師などを確保している例もある。病院と開設者(自治体)がともに考えていかなければ」と述べました。さらに「災害対応などは自治体病院の重要な役割。(全自病協からも)国に対して改善の要望をしていきたい」と述べ、「基本的にはみなさんと同じ方向を向いている」と表明しました。

日本看護協会「めざすべきは健康で働ける職場をつくること」

 日本看護協会は、福井トシ子会長、熊谷常任理事、労働政策部など4名が対応しました。懇談にあたり高柳副委員長は、職能団体として労働環境の整備への尽力に対する感謝を述べ、「全国から自治体病院で働く看護師などが参加している。現場実態を交え、課題を共有し運動を前にすすめる機会にしたい」とあいさつしました。医療部会・鮫島議長から2019年5月公表の「自治体病院に働く職員の労働実態のアンケート」について報告しました。

 奥山副議長は、「3年前の看護協会との懇談前日に先輩看護師が脳出血で倒れ、数日後に他界した。数日前から頭痛を訴えていたが、痛み止めや座薬などで労働し続けていた。この様な労働環境を何とかできないか。それぞれが全国の職場で同じ悩みを抱え、組合活動を通して問題解決に奮闘している。それもふまえて全国の現場の声を聞いてほしい」と話しました。

 日看協は、「アンケートの結果を見て辛く感じたのが、『やりがいを感じるもののやめたいと思う現状は変えられていない』人のうち『職場の人間関係』をその理由にしている人が上位にあり、4割もパワハラを経験している。ハラスメントについては、協会としてもヘルシーワークプレイスのキャンペーンを行っている。周知・普及の難しさを感じている」、交代制勤務については、「16時間の夜勤がはびこってきたときに、身体的なリスクが高すぎるため、日本看護協会として危険を感じた。どこにでもこれを適用しなさいということではない」「何歳になったら何が出来なくなっていくか、具体的な話はまだ着手出来ていない。60歳以上のプラチナナース(定年退職後の看護師)の方たちにも働き続けてもらわなければならない中で、(中略)丁寧な話し合いが必要」との考えを示しました。

 最後に、働き方、人員問題等課題は多いが、医療現場の職員が長く働き続けられるようお互い情報を提供していくことを確認し合いました。

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