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自治労連・地方自治問題研究機構が設立20周年記念シンポジウムを開催

憲法をいかし、地域の未来をどう切り拓くか~「自治体戦略2040構想」と地方自治

 12月7日(土)、自治労連・地方自治問題研究機構は、設立20周年記念企画シンポジウムを明治学院大学を会場に開催しました。シンポジウムには自治労連の地方組織をはじめ、自治体問題研究所、研究者、弁護士、市民団体など全国から多数の参加者がありました。

 主催者を代表して、研究機構設立時に主任研究員を務めた白藤博行氏(専修大学教授・研究機構運営委員)があいさつしました。白藤氏は8月に刊行された「民主的自治体労働者論 生成と展開、そして未来へ」を紹介し、「地方自治憲章(案)」「自治体労働者の権利宣言(案)」の2つに自治労連運動のエッセンスがつまっている。時代がどんどん悪くなっている中、自治体労働者の役割がますます大切になると述べました。

 シンポジウムでは、コーディネーターの榊原秀訓氏(南山大学教授・研究機構代表委員)からの問題提起を受けて、菊池一春氏(北海道訓子府町長)、河合克義氏(明治学院大学名誉教授)、本多滝夫氏(龍谷大学教授)、平岡和久氏(立命館大学教授)の4名のシンポジストが報告。

 平岡和久氏は地方財政の視点から、本多滝夫氏は地方自治制度の視点から、河合克義氏は社会福祉の視点から、菊池一春氏は「憲法の精神を基調にした『すべての町民にやさしい町づくり」への挑戦』」と題し、自治体職員、そして町長として50年間にわたり地方自治の現場に携わってきた立場から報告しました。

 さらに特別報告として、中林浩氏(神戸松蔭女子学院大学教授)が「自治体戦略2040構想をめぐって-フィジカルプランニングの立場から」、二見清一氏(自治労連社会福祉部会事務局長)が「児童虐待の現場から-児童相談所・一時保護所の現状について」を報告しました。

 シンポジウムは、その後のディスカッションを含め、「自治体戦略2040構想」の問題点や課題を指摘するだけにとどまらず、未来をどう切り拓いていくのかを展望するものとなりました。同時に、憲法をいかし、国民・住民の切実な要望に応える地方自治や地方自治体づくりには、首長や議会・議員、自治体職員の本気度が問われていることを参加者が再認識する場ともなりました。

 シンポジウムの詳細については、今後、2020年4月発行予定の「季刊 自治と分権」第79号(春号)に特集として掲載します。「季刊 自治と分権」(大月書店)を購読いただき、ぜひご覧ください。

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