メニュー

学童保育指導員の「処遇改善」、資格研修制度の改善などで厚生労働省への要請行動を実施

image003 自治労連は、1月19日、評・学童保育全国連絡会とともに、厚労省への要請を実施し、子どもの放課後施策の拡充と学童保育指導員(放課後児童支援員)の処遇改善、指導員として必須となった支援員認定資格の研修の改善などを求めました。

 自治労連から全国連絡会会長、副会長、事務局長他5名、篠原・松尾中執が参加しました。厚労省からは雇用均等・児童家庭局総務課少子化総合対策室健全育成係が対応しました。

要請項目と厚労省の主な回答要旨

1.放課後児童健全育成事業及び、放課後の諸事業の改善について、

①支援員等処遇改善等事業を、事業に従事する職員(支援員・補助員)の処遇改善を速やかに実施できるように、手続きの簡略化など活用しやすいようにするとともに、子どもの権利保障の立場で支援員等が働き続けられるよう交付金の抜本的改善をはかること。

②現行の放課後児童健全育成事業の水準を維持・拡充できるよう都道府県・市町村へ考え方を示し、予算措置すること。③運営形態に関わらず、配置基準に見合った支援員が確保されるよう適切な予算措置と都道府県などへの働きかけをすること。

【厚労省回答】

 平成28年度予算で若干だが運営費を増額できた。現状に満足してはいないが、人件費にかかわる「処遇改善等事業費」を厚くしたところ。この「処遇改善事業」の実施状況は200自治体ほど。今年度は実施要綱を示すのが遅れたが、来年度も要綱を変えておらず、取り組みを働きかけたい。「全国厚生労働関係部局長会議」でも説明する。自治体からも説明会の依頼をうけており、出向いて説明していきたい。

2.放課後児童支援員認定資格制度の資格認定研修の在り方や予算措置などについて

①都道府県が実施している資格認定研修について、内容を把握し是正をはかること。

②現職が認定研修を受講する際に、自己負担・自己責任とならないよう、各自治体・事業主が雇用者責任を果たすよう働きかけること。

【厚労省回答】

○認定研修については、先日ある地域の研修の内容を聞く機会があり、疑問に思うような内容もあった。こちらから、支援員の研修に則したものに直していただくようお願いしたところ。翌年度の実施にむけて今年度の全国の状況を把握する。

○研修に参加する費用に関しては、本人負担にならないよう全体の運営費の中に予算として入れている(およそ1人、4日間研修に参加することを見込んでいる)。ひきつづき予算の概要説明の中でも示していきたい。

3.「放課後子ども総合プラン」について

①「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」それぞれの役割を明確にし、拡充を図ること。②自治体が運営する際に混同され、職員が兼務するなどがないように各自治体には充分説明し、誤った運営が行われている場合は指導すること。

【厚労省回答】

○今年度中の会議でも、「一体化」にならないよう各事業をすすめるよう説明している。「一体化」とみられるような事業をしているところについては、内閣府を通じて基準を満たして運営されているかどうか確認を徐々にしているところ。

― 主なやり取り ―

処遇改善事業に関して

《自治労連》

〇開所日数について、2つの支援の単位で合同運営している場合、土曜日は子どもの人数が減るので片方のみの開所となり、片方が基準を満たさないことになる。合同運営しているが指導員の待遇は同じであり、2つの支援単位を引き上げる上で交付金が不足する。

〇自治体の中で、交付の基準に満たすところとそうでないところがあり、自治体が「一律に処遇改善」することは難しくなっている。

〇18時30分以降までの開所時間が要件となっているが、その必要のない地方や地域がある。基準を地域の事情にあったものに緩和すべき。

(厚労省回答)

〇処遇改善の交付金自体が職員の人数に応じたものでなく、1クラブあたりの金額となっている。主旨に反しない限り具体的な運用は、自治体・事業者が決められる。

〇処遇改善事業の拡充や基準の緩和等については、財源の問題があり、今後の検討改題。

《自治労連》

〇公設公営の場合、当局から「他の部署や職種の非正規職員との均衡が必要として、指導員だけ賃金を引き上げることはできない」と言われる。平成23年に消費者庁が出した通知(※「消費生活相談員に対するいわゆる『雇止め』について(お願い)」)のように、厚労省が認定資格、専門性や継続性を示して処遇改善と雇用の安定を求めることが必要でないか?

〇厚労省として、運用モデル(目安)を示せないか?

(厚労省回答)

消費者庁通知は確認する。処遇改善の目安については示すと助かるという意見も確かにあるが、一方で、それが足を引っ張る指標となる場合もあり難しい所と考えている。事業の中身について把握しなければならないという課題は認識している。今後も検討していきたい。

支援員資格認定研修について

《自治労連》

〇現場の指導員が講師として認定研修に出る場合は、それにかかる費用の考え方を具体的に都道府県や市町村に説明してほしい。

〇研修の受講人数が少なく、あと4年間で認定資格をもった支援員が確保できるか不安。研修回数を増やすことや、政令都市での実施など、全員受講できるような手立てをとってほしい。また、自治体の非正規の場合は任用期限があり、せっかく認定資格を得ても雇い止めされてしまうことや、それへの不安から認定研修を受けないという事態もある。

自治体に対して、専門職であり、継続性が求められる職種であることを示してほしい。

(厚労省回答)

〇認定研修について講師謝礼も事業費に含んでいる。現職が講師になる場合の取り扱いについて都道府県に引き続き示したい。現任研修の予算を増やしている。

〇支援員の雇用では、運営指針などで雇用形態の考え方は示しているので説明していきたい。

最後に、引き続き、学童保育を充実させるための努力をお願いし、要請を終えました。

関連記事

関連記事