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国連軍縮週間の取り組み
(10月24日~30日)

 10月26日・27日、国連軍縮週間に呼応した日本原水協中央行動として、各国大使館への訪問要請行動が取り組まれました。26日からの3日間で核保有国、新アジェンダ連合国、非同盟諸国など16カ国の大使館を訪問し、「核兵器全面禁止実現のためにただちに行動を」との要請を行いました。自治労連からは福島副委員長がスイス、平野中執がアイルランド、アメリカ、オーストリア、鹿野書記がニュージーランド、ロシアの大使館を訪問し要請・懇談を行いました。

●大使館訪問要請行動

[スイス]

image004 スイス大使館ではピーターネルソン公使が対応しました。福島副委員長は「今年のNPT再検討会議が最終文書の合意に至らなかったが、全面禁止条約など法的枠組みを求める声は高まっている。この流れを現実のものとするために現在開催されている国連総会でイニシアチブをとってほしい」と要請しました。これに対し「スイスは核兵器の非人道性を最初に提唱するなど各国の中でも核兵器廃絶の最前線で努力している。また、スイスでも平和首長会議に多くの自治体が加盟している。日本政府が非人道性の決議に賛成した背景には日本の市民社会の運動があり、みなさんの努力に敬意を表したい。みなさん方と共通の思いと目標を持っている」と述べ、引き続き核兵器の全面禁止に向けて努力することを表明しました。

[ロシア]

 ロシア大使館ではアンドレイ・デミトリチェンコ政務担当が対応しました。始終和やかな雰囲気で会談が行われましたが、内容的には「考え方の違い」が浮き彫りになる懇談となりました。

 「広島・長崎を訪れ被爆の実相をみたことがあるか」との問いに対して、「広島の資料館に行き大きな衝撃を受けた。特に小さな子どもが乗っていた三輪車を見て心を動かされた」「もう一つショックだったのは、日本政府は、だれがこの犯罪を実行したのかを口にしないこと。70年経った今もアメリカからの謝罪がおこなわれていない。日本政府の教訓の一つは誰がこの犯罪を行ったか、アメリカがどのような教訓を得たかはっきりさせることだ」と述べました。また、人道的影響会議については「核を使用することが『死』であり『壊滅である』ということは知っている。核の危険性を説得してもらう必要はない。人道的影響会議のディスカッションは感情的なものであり、不毛なものである」と述べ、「参加するつもりはない」と昨年同様の回答を行いました。

 [ニュージーランド]

image006 ニュージーランド大使館ではポール・ロバーツ一等書記官が対応しました。「NPT再検討会議の結果にはがっかりしている」「NPT第6条の実施について話し合うことは、NPTの精神そのものだということを広めていきたい。NPTはまだ生きているし、実施されるべきであると信じている」と述べました。「ニュージーランドの若い人々は原爆についてどう思っているのか。若い人にどのように被爆の実相をひろめているのか」との問いに対しては、「若い人たちの関心をひきつけるのには苦労している。学校で第二次世界大戦については教育がされているが、あまり若い人は反核運動にはとりくんでいない」とニュージーランドにおいては核についてよりも、環境問題やTPP問題に若者の関心があることが述べられました。しかし、「福島の原発事故は、ニュージーランド国民の決意をますます固めることになった。核兵器だけでなく、原発についても反対となった」とし、引き続き核の全面禁止に向けて努力することを表明しました。

[アメリカ]

 アメリカ大使館は、パトリック・マケックレン(政治部 一等書記官)、ジェシカ・ファーマー(政治部安全保障政策課 二等書記官)、ダニエル・キャッチャー(経済部通商政策課 一等書記官)が対応しました。「アメリカは、昨年12月の国際会議(第3回核兵器の人道的影響に関する会議)にも参加し、核兵器廃絶に向けNPT参加国とのギャップはないと考えている。また、NPTという枠組みをもって話し合うことが大切だ。NPTは、合意できなかったが前向きな活動はできた。米国も核兵器もピーク時から85%削減してきたし、核兵器廃絶の目標に向かって段階的に取り組んでいる」と、従来の対応に終始しました。

[オーストリア]

image008 オーストリア大使館は、ヘルベルト・ビッヒラー(首席公使)が対応しました。要請団からは、オーストリア大統領が原水禁世界大会にメッセージを送ったこと、オーストリアが核兵器廃絶で中心的な役割を担っていることに謝辞を述べ、友好的な懇談となりました。

 ビッヒラー主席公使は、「日本に赴任して2年、原水協のみなさんからすでに4~5回の訪問を受けている。友好的な話し合いができていると思う。オーストリアが提案した『人道の誓い』決議を支持する国が増えている(119カ国)が、日本の対応がなかなか見えてこない」と、日本政府の対応の不十分さが国際的に奇異に映っていることを指摘しました。引き続き核兵器廃絶に向けて、原水協と連携していくことなど話し合いました。

[アイルランド]

 アイルランド大使館は、アン・バリントン大使が対応しました。要請団からは、原水禁世界大会への大統領メッセージが寄せられたことに感謝するとともに、NPT再検討会議でのアイルランドの果たしてきた役割を高く評価していることを伝えました。大使は、「大統領からのメッセージが今年は届くかどうか、ひやひやした。届いて私もホッとした」ことなど、エピソードも交え、和やかに話し合いました。核兵器全面禁止にむけた取り組みをアイルランドとしても、重視して取り組んでいくことなど表明しました。

 

●自治労連会館原爆パネル展

image010 軍縮週間には、毎年、本部会館の1~4階の階段に、「ヒロシマとナガサキ原爆と人間」のパネルを設置しています。このパネル展は原爆の悲惨さ・戦争の理不尽さについて、本部役職員が対話をするきっかけとなっています。特に今年は、NPT再検討会議の結果についても展示しました。

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