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都道府県職部会が地方分権、住民の安全・安心等について全国知事会と懇談

 自治労連都道府県職部会は7月30日、全国知事会と、地方分権、住民の安全・安心などに関して懇談しました。

 自治労連からは森部会長(京都府職労連)、白鳥政策委員長(千葉県職労)、自治労連本部の杉本・久保両中執らが出席。全国知事会は川島調査第一部長ほか6名が対応しました。

 懇談の冒頭、森部会長は「立場の違いはあるが、児童相談所の現場を抱えている労働組合からの率直な実情など懇談したい」とあいさつしました。

 要請書に対する知事会からの主なコメントは以下のとおりです。

1 児童相談所の現状と体制強化について

 「次世代を担う“ひとづくり”に向けた少子化対策と困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化」の提言(案)をまとめた。“専門的人材の育成確保及び必要な財源の確保”、“児童相談所や一時保護所の施設整備等に係る財源の確保“、“弁護士、医師及び保健師の配置に向けた十分な確保と財政支援等の強化”など国とともに展開していきたい。知事会、市長会、町村会の首長をメンバーにした協議の場で、児童相談所の設置基準など“特出し”で検討していく。

2 地方分権改革について

 知事会として強く「参酌基準化」を押し出しているという指摘について、都道府県では大都市を抱えているところや過疎地を抱えているところなどでは環境が異なるためいかに地方の自由度を高めるかという問題意識の中で一つの方法が“従うべき基準”を廃止して、地方の創意や工夫を活かして地方の課題に取り組むという考え方が示された。

 提案募集について、知事会の今年の夏の提言の中でも分権改革推進本部有識者会議で国と地方の役割分担も含めて政策的課題の検討も開始していくべきではないかとしている。

3 総務省による自治体戦略2040構想研究会報告、第32次地方制度調査会について

 あくまでも2040年を見据えてそこに起こりうる地方行政の課題の洗い出しを行い、地方制度の見直しの議論が始まっていくため、現時点において知事会で地方制度調査会に対して何か言う状況ではない。都道府県の空洞化については、市長会、町村会が警戒を強めており、知事会だけでどうこうすることにはならない。市町村の思いに沿った形で市町村の自主的、自律的な判断を最優先にしていく。

4 2019年参議院選挙での道州制等に係る自民党の公約について

 自民党、公明党で道州制の議論が活発に議論された時期があったが、その後議論は止まっている。知事会としても注視は続けていく。

この回答を受けて、参加者からは以下の通り意見を述べました。

【児童相談所】

〇千葉県で発生した虐待死亡の原因は「体制」の問題と考える。100万人以上の人口を抱える大都市での児童相談所の職員6割が経験4年未満の職員、一時保護所も数が少なく収容数も施設定員に対して1.5~2.0倍も詰め込まざるを得ない状況。増所しているが、そのスピードが重要である、職員不足により一時保護所が機能していない。人員、施設・設備などは指針で定めるべきではないか。

〇児童相談所ではいつ何が起こっても不思議ではない、職員の欠員(離職、応募ゼロ)が多くて現場は“綱渡り”状態。一時保護所や定員枠を増やしてもその後のフォローが重要で、人材育成もOJTでは限界がある。人づくりの全国的な研修制度が必要である。自 治体単位での研修では限界。

〇有資格者を増員しているが、交付税の関連もあり簡単には増やせない。休日・夜間で の対応は正規職員を配置できない。

【地方分権】

〇放課後児童クラブの参酌基準化について現場は反対しており、一部地方議会で も反対しているにも関わらず参酌化した。介護や福祉の現場などでは基準を参酌化することで 最低基準を下回る基準などあってはならない。本来、参酌基準は最低基準の上での競争であるべき。学童指導員の人材不足もその要因は処遇が悪いため、改善が重要である。老人福祉、児童福祉の施設監査について負担軽減のため回数を減らすとしているが、これが住民サービスに繋がるのか、規制緩和しているのだから厳しくすべき。

〇提案募集も住民、議会の総意であるとは限らず、自治体の担当者と首長だけで 勝手に政策提案を出しているケースもある、ぜひ検討されたい。

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