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賃下げ阻止、闘争ニュース

総務省に公務員賃金の削減撤回、地方への「強制」措置の中止を申し入れ

 自治労連本部は、5月15日、猿橋書記長を先頭に、これまでの中央・地方の動きを踏まえ、総務省申し入れを実施しました。この行動には、賃金権利局の熊谷・関口両中執が参加。総務省は、公務員部の藤原理事官らが対応しました。

 猿橋書記長は、道理のない「賃下げの強制」に対し、今なお、地方の市長会など全国の首長が反対の強い意志を表明していることなど、この「強制」が政策的にも破綻していることを述べた上で、地方自治の現場に混乱を持ち込むことがあってはならないと、あらためて賃金削減の撤回、交付税削減や「地方の取り組み状況」の調査・公表など、地方における賃金の自主的な決定に影響を与える「強制措置」を中止するよう強く申し入れました。
 これに対し、藤原理事官は、「要請として受け止める。あくまで、地方に丁寧に説明をさせていただく」とこたえました。(要請書は末尾に掲載)

岡山県本部
景気回復は労働者の賃上げで!公務員賃金引下げ反対
16日に岡山県本部県下で一斉早朝駅頭宣伝!

 5月16日(木)早朝に、岡山駅、倉敷駅、新倉敷、児島駅、茶屋町駅、笠岡駅、高梁駅の7駅に44名が参加し3000枚の本部作成のチラシを配布しました。

 岡山駅では自治労連岡山県本部事務局と岡山市職労をはじめ高教組、国公、医労連、県労会議などから参加し宣伝しました。田中県本部書記長は「アベノミクスで円安が進み、株価が上がり輸出大企業は大幅な増収が見込まれるが、庶民の暮らしは生活必需品の値上がりで苦しさを増すばかり。
 こうした状況打開は労働者の賃金引き上げで消費を拡大することだが、それに逆行するのが公務員賃金引き下げ。賃金引き下げをやめさせ、全ての労働者の賃金引き上げ、企業の経営改善で市民の暮らし改善に一緒に運動を進めよう」と訴えました。高教組の和田副委員長は、「全国に先駆けて岡山県が14日に給与を平均7.5%削減することになったことにより、県下の労働者の賃金に大きな影響を及ぼす。日本のデフレ経済脱却に反する。県民にこのような状況がいいのかどうか考えてほしい」と訴えました。

 花田県本部委員長は「公務員も賃金をさげるのだからという理由で、民間企業でも10%の賃下げを提案された組合がある。公務員賃金の引き下げは民間の賃下げにも連動するものであり、労働者全体の賃上げと最低賃金の引き上げが必要。公務員賃金の引き下げは軍靴の足音が聞こえるものだ」と、国防軍を持つとする安倍首相の危険性を訴えました。

 倉敷では水島医療生協労組の仲間の支援もありました。笠岡・高梁市職労も駅頭で宣伝しました。新見市職労は夕方に地域配布を行います。引き続き5月20日の昼休みにも岡山駅前で宣伝行動を行います。

 県下では総社市長が「国家公務員の賃金を下げたから地方も下げろというのはおかしい。給与は下げない」ことを表明しています。また、奈義町は議会で議論が行われ「行うべきではない」と議会の意志が確認されました。共産党の森藤議員が①地方分権の理念から逸脱している。②安倍内閣のデフレ脱却の考えからも逆行すると発言。発言した全議員が賃金引き下げに反対の主張を行いました。

 自治労連岡山県本部加盟組合では浅口市が組合に提案していますが、他の自治体では提案させていません。引き続き不当性を訴えると共に、住民と共に市政を考える自治研活動も強めていきます。

本部も東京・池袋で賃下げ阻止を訴え

 自治労連は、5月15日午後、公務員の賃下げ問題での池袋駅前宣伝行動を実施、20人が参加して、訴えを行いビラを配布しました。
野村執行委員長は「地方公務員の賃下げは、税収が落ち込み地域経済に大きな影響を及ぼし、民間労働者への賃下げの悪循環につながる。公務員賃下げでなく、多くの労働者の賃上げ、正規と非正規関係なく同じ条件で働くことができるような改善が必要。地方公務員も皆さんと同じような生活実態に置かれている」と訴えました。

 山口毅副委員長は、タクシー業界や中小業者から「地域経済活性化の観点からも公務の賃下げには反対」の声が寄せられていると紹介し、民間労働者と一緒に雇用の安定と賃上げで地域経済を元気にしていきたいと発言。猿橋書記長は、「政府が強制する公務賃下げは何ら道理がない」と国の無責任さを追及、「地方自治に反するとして国どおりの賃下げはしないと明言する首長が出てきている」と述べました。

橋下氏は「慰安婦」制度・売買春肯定発言の即時撤回を

 この日の宣伝では、公務員バッシングを繰り返す橋下大阪市長が「慰安婦」制度・売買春肯定発言を行ったことについても訴えました。水谷女性部長が、橋下市長を怒りをこめて糾弾し、女性の尊厳を踏みにじる一連の発言の即時撤回・公職辞任を求めました。

(要請書)

2013年5月15日
総務大臣 新藤 義孝 様

日本自治体労働組合総連合
中央執行委員長 野村幸裕

「国家公務員に準じた賃金引き下げ」についての要請

 日頃から地方自治の発展にご尽力されていることに敬意を表します。
政府が、昨年4月からの国家公務員の平均7.8%に及ぶ賃金削減に準じて、地方自治体・公務員に同様の賃金削減を「要請」していることについては、これまでも自治労連として、その問題点を指摘し、これを行わないよう強く要請してきたところです。

 繰り返すまでもなく、今回の「要請」は、地域経済に打撃を与え、景気回復に逆行するものです。
この間、地方の経済団体にも、その影響を懸念する声が広がっており、労働組合だけでなく自治体当局から賃金削減による地域経済へのマイナス効果が試算される状況です。
アベノミクスによる円安と株高が、輸出大企業や富裕層に富を集中する一方、国民には物価上昇による生活悪化をもたらしている中で、政府が「要請」の理由に挙げている来年4月からの消費税増税が実施されることになれば、国民の暮らしに深刻な影響を及ぼすことは明らかです。

 さらに、政府は、「地方公務員の賃金は労使交渉に基づき自治体が自主的に決定する」との原則を踏みにじり、こともあろうに地方固有の財源である地方交付税を一方的に減額しました。
総務省は、これを政策にもとづく「標準的」算定と強弁していますが、実際には、地方自治・労使自治の侵害にほかならず、地方6団体はもちろんのこと、現在に至るまで、地方の市長会等からも強い批判の声が上がり続けており、その政策的破綻を示すものと言わざるをえません。

 こうした中、総務省が、二度にわたる自治体の取り組み状況を調査・公表するなど、「賃金削減」の強制の度を増していることに対しては、自治体に働く職員のみならず、大多数の自治体当局からも、怒りの声が沸き起こっているのが現実です。

 これらの理由から、改めて下記について要請するものです。

1.国家公務員の「賃金削減」をただちに中止することとあわせ、国家公務員に準じた地方公務員の賃金削減の「要請」を撤回すること。

2.国家公務員に準じた地方公務員の賃金削減を「強制」する措置を行わないこと。

① 「賃金削減」に関わる地方交付税等の削減措置を撤回し、元に戻すこと。

② 「賃金削減」に関わる地方自治体の取り組み状況の調査・公表は中止すること。

③ 「賃金削減」を実施しなかった自治体に対して、特別交付税を削減するなど、新たな財政制裁措置は行わないこと。また、地方自治体が行う起債について、「賃金削減」を同意の条件にしないこと。

以上

 

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