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自治労連「19春闘要求書」を総務省に提出

地方公務員・公務関係労働者の賃金改善、会計年度任用職員制度導入での財源確保、災害時対応や長時間労働解消のための人員確保、公務公共業務は直営で充実を

 自治労連は2月25日、19春闘要求書を総務省に提出しました。行動には、桜井副委員長、中川書記長、前田・竹内書記次長、西賃金権利局長、杉本中執が出席、総務省公務員部からは宮地公務員課長、木本理事官らが対応しました。

 最初に、桜井副委員長が「2019年春闘要求書」を手渡すとともに、「提出した要求書の中には住民のくらしにかかわる要求もあるが、私たちは憲法や地方自治をいかし、住民サービスの向上と職員自らの賃金や労働条件の改善を一体的にとらえている。ぜひ検討していただきたい」と述べました。続いて中川書記長、杉本中執から、特に重点とした5つの重点要求項目(別記参照)にかかわって趣旨を説明しました。

労使交渉を尊重し大幅賃上げや格差解消、災害時対応も想定し業務量に見合う人員確保を要求

 中川書記長は、賃金要求について「月額25,000円以上、時間額150円以上の賃上げを要求していると同時に、自治体内最賃を時間額1,300円以上も要求している。最低賃金では自民党内に全国一律最賃制の法制化を推進する議員連盟が発足した。自治体での労使交渉を尊重し、大幅な引き上げや地域間格差の解消、賃金底上げなど改善を検討してほしい」、雇用と年金の接続にかかわって「定年引き上げ後も再任用制度がしばらく継続する中で同じ仕事をしながら定年前よりも低い水準に置かれることは職員のモチベーションが下げることになる。また困難職種と言われる職員が働き続けられるような対応も検討してほしい」「時間外上限規制では、管理運営事項だと言っている自治体もあり、労使協議が必要であることを踏まえた必要な措置をとってほしい。同時に長時間労働を解消するには必要な人員を確保することが必要であり、西日本豪雨災害で人員体制が足りないために災害時の対応が遅れるなどの問題も起きている。ぜひ総務省としても人員が確保できるように対応をしてもらいたい」と述べました。

会計年度任用職員制度で国の財源を早急に明確に、公務公共業務の充実、委託は推進するな

 続いて杉本中執は、「会計年度任用職員制度導入にあたり、どの自治体も財源問題を理由として制度設計が進まない状況がある。総務省としてもすみやかに財源を明らかにしてほしい。また、付帯決議に基づく対応がされず、現在よりも不利益となるような制度設計を提案するなどの事例も見られ、非正規職員は雇用の継続に不安を抱えている」、「行政は直営が原則であり、委託によってサービス低下になっている現状もある。指定管理者制度も予算削減のツールとなっている。5年単位の更新で職員は雇用に不安を抱えており、労働契約法の無期転換権を行使しても事業者が指定管理業務から撤退し、新たな指定管理者に有期雇用で雇われ不安定雇用に逆戻りしたり、雇い止めが発生するなど問題もあり、改善を要求したい」と述べました。

 最後に桜井副委員長は、「いま毎月勤労統計問題などで国民から行政に対する信頼が失われるような状況があり、国も地方も行政に対する信頼をとりもどすような努力が必要と考えている」と述べ、要求書の趣旨説明を踏まえて3月13日に回答を行うよう申し入れました。

 対応した宮地公務員課長は「いただいた要求書は検討し、後日回答させていただく」と述べ、要求提出行動を終了しました。

【重点要求項目】     

1.地方公務員、公務関係労働者の賃金改善を図ること。ラスパイレス指数を根拠にした賃金抑制など、地方人事委員会や地方自治体へ介入しないこと。労使交渉に基づく自主的な賃金決定を尊重すること。

2.時間外勤務の上限規制を規則化するにあたっては、上限規制を実効性あるものにするために、地方自治体が労使協議を尊重することや、災害時の対応も想定し業務に見合った人員を確保できるように、総務省として必要な措置をとること。

3.総務省の財源保障が示されていないことから、会計年度任用職員の賃金・労働条件に係る労使交渉が遅れており、必要額を把握し財源確保に努めるとともに、その内容を速やかに明らかにすること。併せて、国会における附帯決議を尊重し、現行の臨時的任用職員及び非常勤職員からの移行に不利益が生じないようにすること。

4.地方自治体が実施する公務公共業務は直営で充実させること。アウトソーシングは公務公共業務の質を低下させ、自治体の公的責任を放棄するものであることから、推進をしないこと。

5.指定管理者制度について、「公の施設」の設置目的を効果的に達成し、継続して安定した施設の運営が行われるように、必要な措置をとること。「公の施設」で継続して働いてきた職員が、指定管理者が変更するたびに解雇・雇い止めになることは、労働者の働く権利を奪うだけでなく、「公の施設」の安定・継続した運営にも支障が生じるものであることから、地方自治体の責任で雇用の継続が図られるように、必要な措置をとること。

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