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東日本大震災から7年、自治労連が総務省・復興庁に要請

「地方団体が財政運営で困らないようにすることが総務省の使命」(総務省)

 東日本大震災による地震、津波そして原発事故による放射線被害から7年を前に、3月7日(水)、参議院議員会館にて、自治労連と岩手自治労連、福島県本部は、復興庁と総務省に対し要請を行いました。

 自治労連本部から松繁美和副委員長、小泉治中央執行委員、草野義正書記、岩手自治労連からは渡辺孝文書記次長、福島県本部からは笠原浩委員長が参加しました。復興庁からは浅見参事官補佐、総務省からは自治行政局公務員部公務員課の安達係長など5人が対応しました。冒頭、松繁副委員長から、6項目にわたる要請書が手渡され、「東日本大震災からまもなく7年の節目となる。本日は、復旧復興に向けて頑張っている自治体の現状をお伝えし、引き続き被災地の現状を忘れることなく、今後もご協力いただきたい」とあいさつしました。

 要請項目と総務省からの回答は、以下のとおりです。

(自治労連)東日本大震災被災地の地方自治体が、復旧復興事業、公務公共サービスの提供を行う人員を確保できるように、正規職員をはじめとした自治体職員、公務公共関係労働者の採用について財政支援を強化すること。

(総務省) 職員採用に関わる経費や職員派遣に関わる経費は震災復興特別交付税を措置しており、復旧復興がすすめられるよう、適切に対応していくことが基本の考え方である。

(自治労連)全国から被災自治体に派遣されている自治体職員が、健康を保全し、安心して復旧復興事業を担えるように、賃金・労働条件を保障すること。被災地で働く任期付職員や非正規雇用職員の任用については自治体に対し、とりわけ被災地という状況や地域性を最大限の配慮し、不安なく働くことができるよう、現地での職業あっせんや雇用継承を図るなど、雇用主に責任を持つよう働きかけること。

(総務省) 派遣職員を含め地方公務員法第24条の給与決定原則に基づき、地域民間給与や国家公務員の給与を考慮して定めている。その上で住民の理解と納得が得られるよう適切に給与を決定していただくこととなる。総務省として引き続き必要な助言を行なっていく。

(自治労連)被災自治体の職員採用、派遣職員の受入れに係る経費の全額を国が負担する震災復興特別交付税による措置を復興が完了するまで継続し、拡充すること。

(総務省) 政府全体の取り組みとして平成32年度までの復興期間は採用等の経費については、震災復興特別交付税による措置を行う。引き続き復旧復興を後押しできるようにしていきたい。

(自治労連)「東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業」は、平成32年度まで支援実施されるが、健康保全やメンタルヘルス対策に万全を期すために継続・拡充すること。正規の職員だけでなく、非正規雇用の職員、全国からの派遣職員、任期付職員なども含め対応すること。

(総務省) 「東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業」は平成32年度まで引き続き継続していく。被災団体からも「使い勝手が良い」という声もあるので、積極的に活用していただくよう働きかけていきたい。現事業については正規職員のみならず非正規、派遣、任期付き職員の方に関わった費用についても措置している。

(自治労連)福島第一原子力発電所事故から、段階的に避難区域の指定が解除される下で、自治体職員の放射線被害や不安に対し、定期的に健康調査・メンタルヘルスケアを行い、安全確保に万全を期すこと。

(総務省) 地方公務員安全衛生推進協会が毎年、健康診断の状況を調査している。総務省と一緒に紹介通知を出すなど情報共有している。これらを継続しつつ必要なケアを取り組んでいく。

(自治労連)福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示が解除されても住民の多くが帰還せず急激に人口が減少した地方自治体が、将来的に存続していくことができ、また、非正規雇用職員も含めて現在雇用されている職員が一方的に雇止めされることがないよう、財政的な面も含めて特別な支援を強化すること。

(総務省) 交付税の考え方の中で原発事故の被災団体については、調査人口で数字の上ではゼロの自治体については、ゼロとして算定するのではなく、段階的に激変緩和措置を講じている。その上で、震災復興特別交付税で各種の復旧復興事業や職員採用、任期付職員の採用、職員派遣等の経費を算定し、復旧復興事業を確実に円滑にすすめていけるように支援していく。

 回答を受け、被災地から訴えました。

(岩手)被災地はまだまだ復興の途上である。阪神・淡路大震災では5年で仮設住宅が解消したが、震災から7年、いまだ「みなし」を含めて仮設住宅に約7700人以上の被災者が不自由なくらしを強いられている。災害公営住宅が完成しても入居後、一定年数が経てば家賃が引き上がってしまう。また、かさ上げしているところに市街地をつくっているが、どのくらい店が戻ってくるのか、賑わいが戻るのかわからない。そうした中で、派遣を含めた人材確保は615人。そのうち任期付採用が31%。復興期間の10年、平成32年までは財政措置はあるが、平成32年度以降はどうなるのか。平成32年度までに復興は終わるのか。復興庁も無くなってしまえば事後評価を誰が行なうのか。われわれの要望にも「復興が終わるまで」と書いている。まちができて住民が戻り、賑わいが本当に戻るのか。その自治体の職員が仕事に専念できるのか。そこまで見届ける財政措置が必要だ。これからも被災地に真摯に向き合っていただきたい。

(福島)震災から7年。福島は震災よりも原発事故の影響が大きい。災害救助法適用で措置している事自体、どういうことなのかと感じる。原発事故は国が起こしたものだということをもっと深く自覚してほしい。いまだ帰還できない双葉町や大熊町で、2020年の帰還計画が立てられているが、首長や総務課長と懇談しても、現実には戻るところまでしか考えられていない。戻ってからのまちづくりの展望が開けない。見通しが立てられない状況だと深く感じる。放射線量の影響で帰還できない中、自治体は帰還計画を立てても思うようにすすまない。住民も帰ってこない状況で、まちの将来について悩んでいる。

 財政問題でも「福島は別」という話しがよくあるが、それだけの回答では自治体の職員は将来を描けず、計画が立てられない。なるべく早く財政の展望を示していただきたい。人員問題も深刻で、住民が戻ってこない状況で、この自治体がどうなるのか。自治体は職員を抱えられるのか。福島県の最低賃金748円に対し、浜通りで時給1300円にしても人が集まらないほど人が不足し、それが過密労働につながっている。低線量被曝の健康への影響は、まったく誰もわからない。一般的な健康調査だけでなく特異な放射線被害の状況であるという考え方を示していただきたい。

 要請の最後に松繁副委員長から「報道によると、避難解除された4自治体で地元の児童・生徒は4%程度しかいないという調査結果が出ている。子どもがいないという事は、子どものいる若い世代が帰ることに躊躇しているという事でもある。人口だけでなく世帯構成についての配慮も必要ではないか。復興についての要請をしていると、相対しているようではあるが住民生活と命とくらしを守るという点では、私たちと共通している点もあると考えている。住民や国民の命を守るという立場でぜひ仕事をすすめていただきたい。私たちもその努力をしていく」と述べ、要請を締めくくりました。

 

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