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地方組織賃金担当者養成講座に全国から40人が参加

 自治労連は、6月22~23日、地方組織賃金担当者養成講座を都内で開催し、各地から40人が参加しました。 開会のあいさつで桜井副委員長は、「賃金のしくみ、賃金闘争とその役割について2日間で大いに議論し学んでいただき、現場でいかしていただきたい」と述べました。

 第1講義は、特別区職員労働組合連合会の吉川委員長による「地方公務員の賃金の仕組みと課題」 賃金決定の基本的な仕組みとして労使交渉による賃金決定については労働者と使用者が対等の立場で決定すべきものであること、憲法で労働基本権が保障されているにもかかわらず公務員の労働基本権が制約されていることの違法性や不当性、地方公務員の給与決定の原則、代償措置としての人事院・人事委員会勧告制度が実は公務員の権利抑圧や低賃金を強要し、すべての労働者の賃金を抑制しているなどの問題点を指摘しました。さらに、2005年人事院勧告の給与構造改革や2014年の給与制度の総合的見直しについてその内容と背景、能力・実績主義の問題点や対応、総務省による「制度は国、水準は地域」やラスパイレス攻撃について触れ、「労働組合が道理を持ってたたかうことが重要である」と述べました。

 第2講義は、静岡県立大学短期大学部・中澤秀一准教授による「生計費にもとづく賃金闘争~最低生計費試算の取り組みから」 「最低生計費は憲法で定められた『健康で文化的な最低限度の生活を送るため』の費用である。ギリギリ・カツカツの生活費ではなく、あるべき生活が実現できる水準に達していなければならず、それを保障することが国家の責務である。①最低限の所得保障、②人的・物的なサービス保障、③公共的な生活基盤、④公正なルールや雇用対策、⑤平和な社会をめざした人権保障など、本来あるべき最低限のルールがなく、なし崩し的にされている。最低生計費試算調査でわかったことは、『全国どこでも生計費はそれほど変わらない』ということ。25歳単身世帯で月額22~23万円ほどが必要で、現在の最低賃金額では、フルタイムで働いたとしても『ふつうの暮らし』は難しい。労働時間の観点も考慮すれば、時給1500円はあたりまえの金額になる。労働組合は組合員だけのものでなく、すべての労働者の代表である。社会に目を向け地域に関わっていくことが重要で、それが労働組合の役割です。全国一律の最低賃金制度のたたかいをはじめ、社会的にも影響力がある自治労連の運動に期待したい」と訴えました。

 2日目に行われた第3講義は、「生涯賃金シミュレーション作り方」 杉本中執を講師に、参加者がそれぞれ持参した、給料表や初任給基準表、昇給号給数表などをもとに、行政職標準賃金ライン作成と生涯賃金の試算を行いました。

 参加者からは、「大変勉強になり参加してよかった。研修で学んだことを役員、組合員に伝えて活動の底上げをしていきたい」「今後の組合活動、交渉や教宣に役立てていきたい」「賃金闘争が重要だとあらためて感じた。今後のたたかいをがんばっていきたい」など多くの感想が寄せられました。

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