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「広島市のすすむべき道」を考えるシンポジウムに70人が参加

大型開発優先から、市民生活優先に転換を

 11月13日、広島市政を大型開発優先から市民生活優先に転換することを求めてシンポジウムが広島市社会福祉センターで開催され、約70人が参加しました。シンポは「広島市にくらし・福祉・教育の充実を求める共同行動実行委員会」「二葉山トンネルに反対する市民の会」などが主催しました。
 実行委員会の金子秀典共同代表は「松井広島市長は事務事業見直しにおいて、高齢者への公共交通機関利用の助成を、高齢者のポイント制によるボランティア活動への報償制度にすり替えて削減しようとするなど、福祉・教育を切り捨てる方向を強めている。これを許さない取り組みを強めよう」とあいさつしました。
 パネラーの橋本和正氏(広島自治体問題研究所)は、「広島市財政と広島都市圏構想」と題して報告し、周辺都市と合わせて200万都市をめざすimage003「連携中枢都市圏構想」の下で大型開発優先の財政の問題点を指摘し、「選択と集中」の名の下に住民福祉が切り捨てられている状況を明らかにしました。
 新婦人広島市内連絡会の長妻玲子氏は「子ども医療費の現状と今後の運動」について報告。来年1月実施が予定されている広島市の制度改定では「中学卒業まで入院医療費助成が延長されるものの、新たに所得制限が導入されて通院では現行より大幅負担増となる対象者が多数見込まれる」と指摘。「市の予算額26億円に追加して1億8200万円あれば現行制度のままで延長できることであり、県内でも最低クラスの広島市のこども医療費助成制度を変える大きな運動すすめよう」と提起しました。
 続いて、広島市教組の幅野勇生氏が「市立広島特別支援学校の現状と課題」と題して報告。市の出島に開設された超マンモス校(生徒478人、教職員約300人)市立広島特別支援学校では、市の計画性のなさ、ビジョンもない教育行政のツケをまわして教育上の困難をもたらしている実態を告発しました。
 広島民医連会長の佐々木敏哉氏は「広島市の介護をめぐる状況」について報告。年々医療・介護の公的保障が削減・後退させられ、介護保険給付削減の下、広島市では次年度から新「総合事業」の名で「自助・共助」を中心にした介護が地域ですすめられようとしていることを説明しました。
 「二葉山トンネルに反対する市民の会」代表竹村文昭氏は「広島高速5号線二葉山トンネル七つの大罪」と題して報告。「必要性もある『大型開発』ならまだいいが、これは『大型破壊』というべき開発。1500億円以上も使って住民の安全も考慮せず、わずか所要時間が3分短縮されるだけで必要性はない。この予算を子どもの医療費など教育や福祉に充てるべきだ」と怒りをあらわにしました。
 会場からは、松井市政の問題点(藤井とし子市議)、障害者(児)への政策(九内広障連事務局長)、放課後児童クラブの公設・公営・無料への願いと指導員の欠員・待遇改善(岡原留守家庭労組書記長)、かき船撤去の訴え(大亀氏)について発言がありました。実行委員会のシンポジウムも4回目であり、市政転換の必要性をますます明らかにするものとなりました。