自治労連は、18国民春闘の回答指定日である3月14日、2018年春闘要求書にもとづく総務省交渉を行いました。交渉には、自治労連から桜井副委員長、中川書記長、前田・竹内両書記次長、西・杉本・増田久保・松尾各中執が参加しました。総務省からは公務員課・村上理事官、木本課長補佐、給与能率推進室兼女性活躍・人材活用推進室・井筒課長補佐らが出席しました。

 冒頭、桜井副委員長は、2月27日に提出した春闘要求の中で4点の重点要求項目について総務省に対し、誠意ある回答を求めました。また「本日3月14日は公務と民間の集中回答日となっており、政府も経営側も賃上げの必要性について共通認識となっている。公務でもこうした流れを後押しする役割を果たすことが重要」と述べるとともに、「国会ではいま、公文書の改ざん問題や裁量労働制のデータねつ造などの問題で著しく行政への信頼が低下している。現場からも確定申告で住民との関係で対応に苦慮しているとの声が聞こえてきており、憤りを感じている」「今後、住民により良いサービスをすることが行政への信頼回復につながる。国会公務員と地方公務員の立場の違いはあるが、正規職員も非正規職員も働きがいをもって働けるようにするための職場体制をつくる視点で総務省も検討することをお願いしたい」と述べ、回答を求めました。

賃金決定とラス指数、会計年度任用職員制度、長時間労働、人員、窓口業務で総務省を追及

 交渉では総務省からの回答の後、自治労連から4点の重点要求項目について追及しました。

 1点目の賃金決定にあたっては、労使交渉を尊重するというこれまでの到達点を確認。昨年末の労使交渉において、総務省の助言等による交付税削減を背景にしたラスパイレス指数攻撃から賃金削減が提案され、越年交渉を余儀なくされた単組が全国から出てきていること、そもそもラスパイレス指数を物差しとして比較・公表すること自体が問題であると指摘しました。

 2点目の会計年度任用職員制度問題については、地公法・自治法の一部改正の審議の中で「不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われなければならない」とする両院附帯決議が附されたことを踏まえ、臨時・非常勤職員のこれまでの労使協議や賃金・労働諸条件が尊重されるべきであることを確認。併せて、国としての制度導入に向けた財源を保障することや、現在の臨時・非常勤職員についても待遇改善を求めました。

 3点目には、過労死事件を紹介しながら自治体職場においても長時間労働は深刻な問題となっていることを追及。自治体当局による時間管理や36協定締結の徹底、本庁など「一般官公署」と言われる職員についても36協定締結ができることや、労基法33条3項の「公務の臨時の必要がある場合」の厳格な運用、長時間労働解消するには正規職員の増員が不可欠であることを指摘しました。

 4点目に、自治体における民間委託の押し付けを許さないとして、住民の状況を把握したり、相談業務への橋渡しなど重要な役割をもつ窓口業務の滋賀県野洲市の事例を紹介しながら、民間や地方独立行政法人への委託化を押し付けないことや、トップランナー方式を導入しないことなどを追及しました。

 交渉の最後に、中川書記長は「いま全国の自治体の人事担当者が人材確保で頭を悩ませている時に、地域手当を国の基準を上回って支給しようとする地方自治体に対して、総務省が特別地方交付税を削減し、削減額を公表していることに強く抗議する」「改正法の施行は2020年4月だが、いまだに法改正の趣旨が徹底されていない自治体も見受けられる。自治体に新たな負担をさせず、国の責任で十分な財源の確保を、早期に示すよう要望する」「現場では恒常的な業務が漫然と時間外勤務として行われているのが実態だ。引き続き労基法33条3項の厳格化を求めたい」「ここ数十年単位で見れば、自治体の業務量は減るどころか増えているにもかかわらず、正規職員は54万人減らされる一方で臨時非常勤職員が64万人にもなった。そのことにより、正規職員では、労働時間の曖昧さ、労基法上根拠のない長時間過密労働・不払い残業の蔓延、健康破壊をもたらし、同時に臨時非常勤職員には劣悪な労働条件と不安定雇用をもたらしてきた。改めて、自治体における長時間労働の解消、公務運営の原則の徹底、均等待遇と雇用の安定は一体のものであり、所管庁としての総務省の役割を要請してまとめとしたい」と述べました。

<18春闘・重点要求項目>

1.賃金引き上げについて

 地方公務員、公務関係労働者の賃金改善を図ること。国家公務員賃金制度と水準の一方的な地方自治体への押し付けは行わず、労使交渉に基づく自主的な賃金決定に干渉しないこと。交付税削減を背景とした賃金抑制など介入しないこと。

2.会計年度任用職員制度の導入における臨時・非常勤職員の処遇改善について

 会計年度任用職員の給料(報酬)決定にあたって、各地方公共団体において地方公務員法第24条に基づき定められるよう必要な措置を講じるとともに、給料(報酬)・手当が確実に支給されるよう国として財源を確保すること。また、「空白期間」を解消し、新たに設定はしないこと。

3.人員増、労働時間管理の適正化について

 厚生労働省「労働時間に関するガイドライン」に基づき、職員の労働時間を適正に把握し、時間外・休日勤務を縮減する自治体の取り組みを支援すること。労基法33条3項の「公務のための臨時の必要がある場合」を厳格に運用し、業務に見合った人員を配置できるようにすること。

4.公務公共業務を自治体直営で充実を

 地方自治体が実施する公務公共業務のアウトソーシングを推進することはやめ、自治体の直営で充実させること。住民の基本的人権を守りプライバシー情報を取り扱う窓口業務については、民間委託や地方独立行政法人の活用を推進せず、地方交付税のトップランナー方式を導入しないこと。