総務省・厚労省へ要請、全国自治体病院協議会・日本看護協会と懇談

 2019年1月21日(月)、自治労連は、前日の「いのちと地域を守る学習・意思統一集会」で学び、交流した全国各地のとりくみや職場・地域の課題を持ち寄り、医療関係府省、団体への要請・懇談行動にとりくみました。要請・懇談の概要は下記の通りです。

 <総務省>自治体病院の担う政策医療やへき地医療には「収支差」が出てくる。地域医療構想は各地域で議論していただき、総務省としてもフォローアップしていきたい

 自治労連からは22人が参加し、総務省自治財政局から公務員部公務員課、準公営企業室病院事業係、調整課が対応しました。冒頭、桜井副委員長が要請書を渡し、「昨年は、大きな災害があった。災害時に自治体の責任を放棄することがないよう、また自治体の財政を理由に自治体病院の民間委託・合理化ありきでなく、地域医療の充実の実現のため、要望を受け止めていただき、対応していただきたい」と要請しました。

 総務省からは、〇医療分野では2025年に向けて、「新たな公立病院改革プラン」は民間病院も含めて各自治体で議論し、総務省としてはフォローアップしていきたい。〇自治体病院の財政措置として、昨年度同様に地方交付税への確保をしている。自治体病院の収益において「黒字」ばかりを求めていない。政策医療やへき地医療などには「赤字」でなく「収支差」がでてくる、「収支差」に一般会計から補填していくことは自治体が行うことと認識している。〇地域医療の確保として医師確保・看護師確保や育成において、自治体には地方交付税にとりいれていきたい。労働安全衛生として、自治体には、ガイドラインの内容や情報を助言していく、などの回答がありました。

厚労省>看護職員の確保指針の見直し、オンコールの待機時間等の扱いの検討など、医療職場の実態や現場の意見もふまえすすめたい

 自治労連からは20人が参加し、厚労省からは医政局、労働基準局、保険局が対応しました。冒頭、高柳副委員長は「医療職場の人員不足や長時間・過密労働の実態を示し、人員増で労働条件・職場環境を改善し、患者に対して良い医療がしたいという現場の声を聞いてほしい」とあいさつし、要請書を手渡しました。

 厚労省からは、〇夜勤の回数三交代で平均7.9回となり過去最低に改善している。過去は8.1回、8.2回であり徐々に改善してきてはいるが、今後も国として支援をして行く。〇夜勤体制・回数等については、平成4年に定めた確保指針の改定の必要性について今後検討していく。〇各医療機関が提供する医療機能に応じて必要な職員を配置する事は重要。看護師の夜勤負担軽減のため評価の引き上げもしており、今後も看護職員の配置が適切に評価されるよう現場の意見を踏まえすすめる。〇断続的な宿日直業務においては、これまでも労働基準監督署による監督指導により努めている。ガイドラインについては、順守するため監督署による相談やリーフレットで周知徹底をしている。〇昨年2月に緊急対策として各医療機関に勤務環境改善策を進めることを周知徹底している。勤務間インターバル制度が徐々にではあるが取り組んでいる調査結果も出ている。〇病床整理においては、地域の実態を反映した形となるよう、各地域(地域医療構想調整会議)での議論を望む。〇公立・民間を問わず、診療実績や将来の医療需要の動向を踏まえていずれの医療機関がどの様な役割を果たすか、良く協議するよう求めている。〇今後地域包括ケアシステムの構築を推進するため、今後もかかりつけ医の推進をしていく、などの回答がありました。

<全国自治体病院協議会>病床削減ばかりでなく地域の状況に即した医療体制を提供していくことが重要

 自治労連からは14人が参加し、全自病協からは松田経営調査部長など2名が対応しました。はじめに、自治労連から増田憲法政策局長が「自治労連は住民のいのちとくらしを守り、地域・職場から『いのちと地域を守る』運動を広げ、憲法と地域医療、社会保障を守り、住民との共同・連帯」のとりくみをすすめている。本日は、地域医療と自治体病院の充実、医師や看護師の働き方改革などについて自治労連が行った労働実態調査も紹介しながら意見交換させていただきたい」とあいさつし、医療部会・矢吹事務局長の進行で懇談を行いました。

 全自病協は、地域医療構想について、「病床削減ばかりが話題になっているが、本来それだけではなく、地域の状況に則した医療体制を確保していくことが重要。民間も含め双方で、その地域に必要とされる医療体制について話っていくべき」とし、医師の働き方改革については「医師の時間外労働上限について「1,900~2,000時間」には正直驚いている。①医療現場で働く人の健康確保、②地域医療の確保 ③若い方たちの研修の場の確保の大きく3つが重要で、仕事や責任の押し付け合いではなくチーム医療して取り組むことが重要」、消費税増税については「今回診療報酬に転嫁されることで解決したように思われているが、楽観視はできない。今後10%に引き上げられた後、場合によっては国に対して要請をしなければならない」としました。会計年度任用職員制度についても大きな関心を示しました。

 最後に、あらためて自治体病院が中心となって地域の保健・医療・介護全体の社会保障を守る役割を担い続けられるよう期待していることを表明し懇談を終えました。

<日本看護協会>いま働く看護師が長く働ける環境をつくっていくことが重要。看護師が働きやすい環境をつくることは日本看護協会の使命

  自治労連からは、38人が参加し、日本看護協会からは、福井トシ子会長、熊谷常任理事、労働政策部が対応しました。懇談にあたり高柳副委員長は、職能団体として労働環境の整備への尽力に対する感謝を述べ、「全国から自治体病院で働く組合員・役員が参加している。現場実態を交え、課題を共有し運動を前にすすめる機会にさせていただきたい」とあいさつしました。まず初めに医療部会・鮫島議長より「自治体病院に働く職員の労働実態のアンケート」の中間結果について報告。その後、①看護師の特定行為について、②少子化に向けて看護師確保を協会としてどう取り組んでいくのかなどについて意見交換しました。

 日看協からは、「特定行為は手順書に基づき診療の補助業務を看護師の判断で行うものであり、病院それぞれの医療安全管理体制を整えることが定められている。雇用者責任は今の医療安全対策と変わりない」、少子化問題については、「今いる人達に長く働ける環境を作ることが必要。多様な働き方のパッチワークを組み合わせて一つの勤務表を作る勤務形態になる。2040年に向けて患者の疾病構造が変化し、在宅療養が増加する。そこへ看護職がどう入っていくか、他の職種とコラボしひとつのしくみを作るシフトチェンジが必要」との考えが示されました。

 アンケートの中間報告について、福井会長は「人手が不足する中で、どういう環境、どうマネジメントしていくのか頭を切りかえていく必要がある。看護師が働きやすい環境をつくることは日本看護協会の使命だと思っている」と述べました。

 最後に、働き方、人員問題等課題は多いが、医療現場の職員が長く働き続けられるようお互い情報を提供していくことを確認しました。