人材育成と技術継承の運動にとりくもう

 自治労連公営企業評議会の「全国公企青年のつどい」が5月25~26日、埼玉県さいたま市で行われ、14単組35名が参加しました。参加者の中には元々の事務職から浄水場施設管理へ配属になった組合員も含まれ、一から浄水場を学ぼうと真剣な眼差しで説明に聞き入る姿が見られました。全国では浄水場の運転管理委託が進む中、直営で運転管理を行っている施設見学の他、夜の交流会と2日目の分科会を開催しました。

他部局への異動で技術が継承されない

 今回開催地の埼玉県企業局労働組合が企画の中心を担い、埼玉県営水道・新三郷浄水場の施設見学を行いました。県営水道は、浄水処理した水を県内各市町村へ供給する用水供給事業を運営しています。

 秩父地域を除く県内には5浄水場があり、内4浄水場が直営で管理され、交替制を技師が行うなど、職員の技術、知識が一定の水準で維持されていましたが、今後技術を継承していく点では、「中堅層の職員が少なく先が心配」「他部局への異動が頻繁で技術の継承がされない」等の課題を抱えていました。

 委託されている吉見浄水場では、立ち上げから10年経過し、委託業者による安定した管理となっています。しかし、先頃発生した停電対応が後手に回ってしまったことから、非常時対応マニュアルの作成も含め、職員による委託管理のノウハウがやはり一定必要であるとの意見があります。

ぎりぎりの状態での浄水場運転管理

 分科会では、同様の課題に苦慮している実情が報告され、「専門職員1名が他の分野も一手に引き受けている」「浄水場配属2年で他公所へ異動」「事務職員が水質管理を担当している」など、浄水場の管理が正にぎりぎりの状態で維持されていることが浮き彫りになりました。

 また、参加自治体のほとんどが浄水場運転管理を委託しており、「契約期間後に撤退してしまう」「社内の人事異動が想定できない」「偽装請負のリスクがあるため、柔軟な連携が取れない」など、委託の問題点も多く取りあげられました。

 更に、深刻な事例として、携帯端末による24時間状態監視をやむを得ず強いられている自治体職員が増加している現状が報告され、労働条件改善の視点からも早急な実態把握の必要が明らかとなりました。

 結果、課題に対する打開策として、人材育成と技術継承の必要性を前提としたうえで、①本来業務を明確に位置付ける、②配属年数を一定期間確保する、以上2点が分科会でまとめられ、実践に努めることを目標に掲げました。

参加者アンケートより

 分科会では、他都市で同職種での率直な悩みが聞けてよかった。私は機械職ですが、機械職自体が市役所内で自身をふくめ2名しかいないため、問題点を話し合えるメンバーがいなかったのですが、懇親会を通じて連絡できる仲間ができたので、大変貴重な機会となりました。(京都・宇治市職労)

 初めて参加しました。新三郷浄水場見学では名古屋にはないオゾンや生物活性炭を利用した高度浄水処理を行っているのを見学し、水源が変わると処理方法も大きく違うなと思いました。分科会では実際に中央管理室業務を委託化している自治体の話を聞き、業者の入れ替わりや偽装請負など委託化の大変さを学べました。初めて知ることが多く大変勉強になりました。(名古屋水道労働組合)