福島の第一・第二原発での重大事故で放射能が飛散し、多数の住民が避難指示を受けるなど、住民の不安と負担は極限まで広がっています。現在も予断を許さない状況の中で、自治労連は首相官邸にたいし、原子力安全委員会など専門家の総力結集による的確な対処と、周辺住民、自治体、国民への精確な情報提供を要請しました。

内閣総理大臣菅直人 様

福島原子力発電所の震災事故に関する緊急の要請について

 東日本大震災では、福島の第一・第二原発が地震と津波による被災に端を発し、水素爆発など重大事故を繰り返し、高濃度の放射能飛散が広がっています。多数の住民が避難指示を受け、30キロ圏の住民に屋内退避が求められるなど、住民の不安と負担は極限まで広がっています。

 大地震と津波による被害に追い討ちをかけ、東京電力任せの後手後手の対策で最悪の事態を招いた政府の責任は重大です。万一にも原子炉や格納容器が破損し、放射性物質が大量に流出するような事態になれば、周辺だけでなく広い範囲に甚大な被害を及ぼすことになり、こうした事態を絶対に阻止する関係者の全力を傾注した奮闘が求められています。

 この間の政府による会見は、政府による責任ある調査ではなく東京電力からの情報頼みであることや、十分な説明や根拠も示さず安全を強調するなど、国民の目には極めて無責任に映っています。また、政府の避難指示等は段階的に広がりましたが、1号機の建屋が崩壊した際の政府の説明は5時間後で、避難指示をした多数の住民の被ばくが明らかになるなど、不安と不信感が広がっています。

 こうしたもとで、政府の責任で事態を悪化させないよう全力をあげるとともに、周辺住民や自治体とともに、広く国民に説明を尽くすよう下記のとおり緊急に要請します。

1 福島原発事故への対応については、東京電力や原子力安全保安院任せにせず、原子力安全委員会など専門家を総結集して政府が責任を持って情報収集を行い、人命最優先で迅速な対策を行うこと。

2 科学的で正確な情報を直ちに周辺住民及び自治体に伝え、納得を得ること。あわせて国民に対しても説明を行うこと。

3 被ばくに備えた検査や放射能の「除染」などの体制を整えること。

4 全国の原発について、あらためて総点検を行い、震災に備えた抜本的な対策を取るとともに、政府の原発推進政策そのものの見直しを行うこと。
5 放射線による汚染データをあらゆる測定ポイントごとにリアルタイムで公表すること。

6 国として責任を持って避難施設の確保と居住環境の改善、健康対策等必要な対策をとること。