大阪府泉南市立砂川小学校のプールで7月31日、民間委託によるずさんな監視体制によりプールの監視員が配置されず、小学1年生の男児が水死した事故について、大阪自治労連と大阪労連は8月10日、泉南市に対して、事故の原因究明と再発防止の徹底を行うよう申し入れました。申し入れには続大阪労連副議長、久保大阪自治労連行財政部長や大阪労連阪南地区協議会の役員が出席。泉南市からは教育委員会の教育部長、教育総務課長が応対しました。

「監視体制に甘さがあった。安全をまもる行政のしくみをつくりたい」
 要請団からは「今回の事故は、安全第一であるはずのプールの監視業務を、コスト削減を優先して民間業者に丸投げしてきたことがもたらした問題だ。5年前に起こった埼玉県ふじみ野市のプール事故の教訓をふまえていれば、このような事故は起こらなかったはず。プールの監視体制がどのような状態にあったのか原因を徹底究明し、再発防止に向けた万全の対策をとるべきだ」と要請。これに対し、市道教育部長は「プールの監視体制について、業者へのチェックもふくめて行政として甘さがあったことは認めなければならない。公務員としての資質に関わる問題であり、反省をしなければならない。原因を究明して、安全を守る行政のしくみをつくるために、改善すべきことは改善したい」とのべました。要請団は「民間委託そのものが行政の責任を曖昧にする問題点がある」と指摘。「プールなど公共施設の安全を守るためには市の職員体制が必要だが、これまでの『集中改革プラン』で人員が大幅に削られてきたのが現状ではないか。プールの安全管理に責任を持つというのであれば、市の職員体制を充実させるべきだ」とのべました。

最低賃金の雇用ではプール監視の仕事はできない
 委託業者に雇用されるプール監視員の賃金について「時給は大阪府の法定最低賃金をわずか1円上回る780円だった。業者は『委託料が減らされて、このバイト料では高校生が来てくれなかった』と言っている。入札では人件費をどのように見積もっていたのか」という要請団の問いに、教育総務課長は「最低賃金を守るように見積もってはいるが、それ以外の基準はない」と回答しました。要請団から「プール監視の仕事は、安全や救命に関する知識と経験が必要だ。最低賃金で高校生のアルバイトにまかせたらよいという仕事ではない。業者に対して、経験と知識のある監視員を雇うように要請し、そのような人を雇えるだけの賃金水準を委託料で保障するべきではないのか」の問いに、教育部長は「今から思えば、そういうことも必要だったと思う。プールの監視員は、安全を守るために、何が重要なポイントかをわかっている者でなければならない」と答えました。

 最後に要請団から「泉南市が今回の事故から、どのような教訓を導きだして対応するのかを全国が注視している。原因究明と再発防止策を徹底し、泉南市が住民のいのちと安全をまもる地方自治体として再生することを強く希望する。私たちもできることは協力するつもりだ」とのべ、申し入れを終えました。要請団はその後、事故のあった砂川小学校を訪れ、プール脇に設けられた献花台の前で、亡くなった男児を偲んで黙祷を捧げました。